櫛生村

櫛生村の概要と歴史

櫛生村（くしうむら）は1954年まで愛媛県喜多郡に存在した村で、昭和の合併を経て長浜町に、さらに2005年の合併で大洲市に編入されました。現在の大洲市の北西部に位置し、伊予灘に面した漁村として知られています。近年では「くしゅう」という表記が用いられるようになっています。

地理的特徴

櫛生村は、大洲市の北西に位置し、肱川河口の西側にある地域です。北自体は伊予灘に面し、南には斉藤山、張木山、高手山などの500m級の山々が連なっています。大洲市の他の地域と接する東側は肱川を挟んで長浜、そして西側には出海村が隣接しています。この地形から平地は少なく、沖浦は肱川河口の小さな三角州上にあり、須沢や櫛生の地域には小規模な砂浜海岸が形成されています。

社会構造と集落

櫛生村は、地形により集落が分散しており、主に沖浦、須沢、櫛生の3箇所に集まっています。これらの集落は明治初期から形成されており、村としての歴史を持ち続けています。しかしながら、正式な大字は存在せず、1949年に長浜町が形成された際に、それぞれの集落に大字が付与されました。大洲市に編入された後も「長浜町」を冠した住所であったため、例として「大洲市長浜町櫛生」のように表記されます。沖浦は特に沿岸漁業が盛んで、公民館や学校が設立されています。

人口と教育

1904年には407戸、2056人の人口を抱えていた櫛生村は、1921年には402戸、2334人に増加しました。村内にあった櫛生小学校は、長浜町合併後も存続していましたが、2012年に大洲市に編入された際に閉校しました。これにより、櫛生村には現存する小中学校が無くなっています。

歴史的背景

櫛生村は、18世紀の大洲藩の領域に位置しており、1813年に沖浦の農民たちが藩に漁業の協定を求めたことから、沿岸漁業が発展しました。明治以降も学校が設立され、村の基盤が整備されていきました。1955年に長浜町として他の村と合併した結果、櫛生村は正式に長浜町の一部となります。

産業と経済

村の産業は、農業と漁業に依存しており、米、麦、雑穀、大豆などの農産物と、フグやタイ、タコなどの海産物が主な生産物です。太平洋戦争後には柑橘栽培も行われており、産業の多様化が進みました。

交通事情

交通面では、国鉄予讃本線の伊予長浜駅が最寄り駅であり、村への入り口となっています。沖浦と長浜の間に開閉橋がかけられており、海岸線に沿って村と隣村の出海村を結ぶ道があります。しかし、通行条件が良好でない区間があったため、過去には交通事故も発生しています。

名所と観光

この地域には沖浦観音、網掛岩、ライオン岩などの名所があります。自然や歴史を感じつつ地域の魅力を探求することができます。そびえる山々や美しい海岸とともに、櫛生村の名残を感じられる地域です。

結論

櫛生村は、その豊かな自然と歴史を持ち合わせた地域であり、かつての生活様式や文化を反映した場所となっています。現在、大洲市として地域振興が進んでいる中で、かつての櫛生村の面影を残しながら新たな時代を迎えています。

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