欧州人民党グループ

欧州人民党グループ：欧州議会の最大会派とその歴史

[欧州人民党]]グループ(EPPグループ)は、欧州議会の最大会派であり、中道右派を代表する政治勢力です。その起源は、欧州石炭鉄鋼共同体]の共同総会が招集された1952年9月まで遡り、当初は「[[キリスト教民主主義グループ」として結成されました。

結成当初は議席数が少なく、最大会派とはなりませんでしたが、1980年代から1990年代にかけて、欧州人民党の拡大に伴い、中道右派の政党が次々と合流。キリスト教民主主義を掲げない政党も加わることで勢力を拡大し、欧州議会における最大会派の地位を確立しました。ただし、常に議席の過半数を確保していたわけではなく、協力手続で必要な過半数を確保するため、社会主義グループや自由主義グループと「大連立」を形成することがありました。

複雑な歴史：合流と分裂

EPPグループの歴史は、合流と分裂を繰り返した複雑な道のりでした。特に1990年代には、イギリス保守党やチェコ市民民主党などの欧州懐疑派政党が「欧州民主主義グループ」を形成し、EPPグループと連携していました。しかし、2009年に欧州民主主義グループはEPPグループから離脱し、「欧州保守改革グループ」を結成。このため、EPPグループは一時的に「欧州人民党・欧州民主主義グループ」という名称を使用していましたが、グループ離脱後、元の名称に戻しました。

グループ拡大は、必ずしも一枚岩の組織をもたらしたわけではありません。キリスト教民主主義系と伝統的保守系の間には、欧州懐疑主義を巡る亀裂が常に存在していました。この亀裂は、時としてグループ内の対立を生み出し、予算案採決において社会主義グループと対立するなど、議会運営にも影響を与えました。

組織と活動

EPPグループは、集団指導体制で運営されています。執行部は代表1名、副代表最大10名（うち1名は財務責任者）で構成され、日常業務は事務局が担当します。独自のシンクタンク「European Ideas Network」も有し、中道右派の立場からEUの諸問題を議論する場として機能しています。

EPPグループの活動内容は多岐に渡り、パレスチナやウクライナでの選挙監視、EU鉄道網の拡充、共通エネルギー政策、加盟国の拡大問題への対応、不法移民対策、欧州憲法条約やリスボン条約への賛成、グローバリゼーション問題、中国・台湾との関係、ホロコースト否認への反対など、多様な政策課題に取り組んできました。

しかし、2009年の欧州議会議員選挙における投票率低下への対応不足や、社会党グループとの議長職に関する取り決めへの批判など、課題も残っています。

欧州議会における影響力

EPPグループは欧州議会において、数多くの動議に関与しており、その影響力は非常に大きいです。欧州議会のウェブサイトでは、EPPグループを含む各会派の活動状況を詳細に確認できます。EPPグループは、常に最大会派として、EU政策形成に大きな役割を果たし続けています。

まとめ

EPPグループは、欧州議会の歴史と発展に深く関わってきた中道右派の主要政党です。その歴史は、拡大と分裂、そして協力と対立を繰り返す複雑なものでしたが、現在もなお欧州議会をリードする存在として、欧州統合の進展に大きな影響を与え続けています。今後の活動にも注目が必要です。

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