欧州電気通信標準化機構

欧州電気通信標準化機構（ETSI）について

欧州電気通信標準化機構（European Telecommunications Standards Institute, ETSI）は、欧州連合が後援する情報通信技術（ICT）の標準化団体です。ヨーロッパを中心に、世界的に適用可能な標準規格の策定に取り組んでいます。

概要

ETSIは、通信機器メーカーやネットワーク事業者など、電気通信産業に関わる企業や団体が参加する独立非営利の標準化機関です。その活動はヨーロッパにとどまらず、世界的な影響力を持っています。特に、携帯電話システムGSMや公共安全用デジタル移動通信システムTETRAの標準化で大きな成功を収めました。

ETSIの傘下には、固定ネットワークとインターネットの統合を目指すTISPANなど、多数の標準化組織が存在します。また、3GPPやoneM2Mといった国際的な標準化プロジェクトの設立にも関与し、パートナーとして協力しています。

歴史

ETSIは1988年に欧州郵便電気通信主管庁会議によって設立され、欧州委員会と欧州自由貿易連合事務局によって正式に認知されました。フランスのソフィア・アンティポリスに本部を置き、電気通信、放送、高度道路交通システム（ITS）、医療電子技術、ネットワーク機能仮想化など、幅広い情報技術分野の標準化を担当しています。

現在、ETSIにはヨーロッパ内外の62の国と地域から、製造業、ネットワーク事業者、サービスプロバイダー、研究機関、ユーザーなど、IT分野の主要な関係者を含む696の会員が参加しています。

ETSIの技術委員会やワーキンググループの活動は、ETSI Portalを通じて公開されています。2013年の予算は2300万ユーロを超え、会費、文書販売、プラグテスト、事務局代行サービス、受託業務、パートナーからの資金提供によって賄われています。予算の約40%は運営費に、残りの60%はコンピテンシーセンターや特別プロジェクトなどの活動費に充てられています。

ETSIにおけるNGN標準化

ETSIは、移動体通信網の標準化を3GPPが担当するのに対し、固定通信網を中心とした次世代ネットワーク（NGN）の標準化をITU-Tに先駆けて行っています。2006年1月には、ETSIのプロジェクトであるTISPANが作成した60件の仕様書がNGN標準のリリース1として発表され、同年6月にはリリース2が公開されました。

関連団体・技術

欧州電気標準化委員会（CENELEC）
DECT
GSM
KASUMI (ブロック暗号)
HIPERMAN
HIPERLAN
TBR21
TETRA
TISPAN
Digital Subscriber System No. 1
ISDN
MMI
CAdES - CMS Advanced Electronic Signatures
PAdES - PDF Advanced Electronic Signatures
XAdES - XML Advanced Electronic Signatures
オープン・モバイル・アライアンス

外部リンク

* ETSI公式ウェブサイト

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