歌のゴールデンステージ

『歌のゴールデンステージ』（うたのゴールデンステージ）は、1973年4月3日から1976年3月30日まで、NHK総合テレビジョンで放送された日本の歌謡番組です。足掛け3年にわたり、毎週火曜日の夜に音楽ファンに親しまれました。

番組収録は公開形式で行われており、放送開始当初は、東京都千代田区内幸町にあったNHK東京放送会館に併設されていた初代NHKホールが使用されていました。しかし、放送開始直後の1973年6月に、東京都渋谷区神南のNHK放送センター敷地内に新たなNHKホール（2代目）が完成し、本格的な運用が始まると、番組の収録場所もそちらへ移されました。広くなった新しいホールからの公開収録は、番組に新たな息吹をもたらしたと考えられます。

放送時間については、番組の途中で変更がありました。開始から1974年3月26日までの期間は、毎週火曜日の午後8時から午後8時59分までの59分間でした。しかし、1974年4月2日からは放送時間が5分短縮され、終了の1976年3月30日までは、毎週火曜日の午後8時から午後8時54分までの54分番組となりました。この短縮された期間中には、本放送の他に、水曜日の午後3時5分から再放送も行われていました。これにより、より多くの視聴者が番組を楽しむ機会を得ることができたでしょう。

番組の「顔」とも言える司会者は、放送期間中に交代しています。番組が始まった1973年4月3日から1974年3月26日までの最初の1年間は、前番組である『歌謡グランドショー』から引き続き、NHKアナウンサーの山川静夫氏が担当しました。軽妙な語り口で人気を集めた山川氏からバトンを受け継いだのは、1974年4月2日からは番組が終了する1976年3月30日まで司会を務めた、同じくNHKアナウンサーの中江陽三氏でした。

番組を華やかに彩ったアシスタントとしては、当時絶大な人気を誇っていたアイドルグループ、キャンディーズが起用されました。彼女たちもまた、前番組の『歌謡グランドショー』から引き続き出演しており、番組に活気と彩りを添えました。歌やトークで番組を盛り上げる彼女たちの存在は、多くの視聴者にとって魅力の一つだったことでしょう。

番組制作を支えたスタッフには、錚々たる顔ぶれが並びます。構成作家としては、井上頌一、下山啓、杉紀彦、山崎博史といった面々が名を連ねています。また、番組の音楽を担当したのは、日本歌謡界に大きな功績を残した中村八大、宮川泰、高見弘、服部克久といった著名な音楽家たちでした。彼らの手による質の高い音楽は、番組の根幹を成していたと言えます。

『歌のゴールデンステージ』は、昭和40年代後半から50年代前半にかけての日本の歌謡曲シーンを映し出す、貴重な音楽番組として、当時の視聴者に多くの感動と楽しみを提供しました。新旧の歌謡曲スターたちが集い、質の高い演奏とともにお茶の間に届けられたこの番組は、NHK歌謡番組の歴史において重要な位置を占めるものです。

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