歌川国満

歌川国満（生没年不詳）は、江戸時代に活躍した浮世絵師であり、歌川豊国の門人として知られています。俗称は熊蔵、一翁斎と号し、国光とも呼ばれていました。

来歴

国満は、飯倉土器町、檜物町、芝口二丁目、田所町、山下町川岸などに居を構え、作画期は享和から文政の頃にかけてとされています。この時期に、合巻の挿絵、役者絵、美人画といったジャンルの作品を制作しました。

作品

以下に、歌川国満の代表的な作品をいくつか紹介します。

合巻
『面鏡仇討志絵』（羅綾堂錦久留丸作、文化6年（1809年）刊行）
『奇哉夜光珠』（高麗井市二三作、文化7年刊行）
『夢浮橋』（十返舎一九作、文化9年刊行）
『子曳松一夜検校』（東西庵南北作、文化10年刊行）
『人面樹鼻之親玉』（桜川慈悲成作、文化11年刊行）

錦絵
「役者七小町」（大判錦絵、国立国会図書館所蔵）
「天竺徳兵衛実ハ宗観一子大日丸・尾上松助」（大判錦絵2枚続の内、ボストン美術館所蔵）
文化元年（1804年）7月、江戸河原崎座『天竺徳兵衛韓噺』より。「豊国門人国満画」の落款があります。
「此村大炊之助俊春・岩井喜代太郎」（大判錦絵2枚続の内、ハーバード大学所蔵）
同上
「紀の国屋文左衛門・沢村源之助」（大判錦絵）
「見立鞍馬山」（大判錦絵3枚続、ボストン美術館所蔵）
初代豊国との合作で、国満が右から1枚目と2枚目を、豊国が3枚目を描いています。
「新版浮画両国橋納涼之図」（横大判錦絵、東京都立図書館所蔵）
「新版浮絵新吉原桜盛之図」（横大判錦絵）

これらの作品から、国満が多岐にわたるジャンルで才能を発揮していたことがわかります。特に、役者絵においては、当時の人気役者の姿を鮮やかに描き出し、多くの人々を魅了しました。

参考文献

歌川国満についてさらに詳しく知りたい場合は、以下の文献が参考になります。

日本浮世絵協会編　『原色浮世絵大百科事典』（第2巻）　大修館書店、1982年　※38頁

この文献には、国満の作品や画風に関する詳細な情報が掲載されています。

歌川国満は、歌川豊国の門人として、江戸時代の浮世絵界で独自の足跡を残しました。彼の作品は、今日でも多くの人々に愛され、浮世絵研究においても重要な位置を占めています。

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