正光寺 (徳島県那賀町)

正光寺（しょうこうじ）は、徳島県那賀郡那賀町に位置する高野山真言宗の寺院です。山号を向栄山と称し、本尊には地蔵菩薩が祀られています。この寺院は、四国三十六不動霊場の第14番札所、そして新四国曼荼羅霊場の第87番札所として、多くの参拝者を集めています。

歴史

正光寺は、正中元年（1324年）に開創されたと伝えられています。観音堂には、仁宇村柏木家の守り本尊が安置されており、元禄7年（1694年）に再興され、落慶法要が執り行われました。その後、廃寺となった蓮光寺の地蔵菩薩を合祀しています。山門の棟札には宝永3年（1617年）の銘があり、観音堂は元禄10年（1697年）に建築されたもので、徳島県南最古の木造建築とされています。

境内には、小堀遠州の門弟が作庭したと伝えられる美しい庭園があり、那賀町指定の天然記念物である樹齢400年の観音杉も存在します。また、不動尊の縁起によれば、空海が阿波の太竜を降伏させ、悪魔を退散させるために不動尊を祀り、人々の往来の安全を祈願したとされています。

伽藍

正光寺の伽藍は、以下の建造物で構成されています。

仁王門（鐘楼門）：寺院の入口に位置する門。
本堂：新四国曼荼羅霊場の札所堂宇として、参拝の中心となる建物。
観音堂：歴史的価値の高い木造建築。
不動堂：四国三十六不動霊場の札所堂宇として、不動明王を祀る建物。

新四国八十八ケ所

新四国八十八ケ所は、車道進入路の左側から山に上がり、大師像の先から一番札所が始まります。この霊場巡りは、正光寺を訪れる際のもう一つの楽しみとなっています。

交通案内

四国旅客鉄道（JR四国）牟岐線阿南駅から車で約45分の距離にあります。

前後の札所

四国三十六不動霊場
13番 密厳寺 (51km) 14番 正光寺 (130km) 15番 極楽寺

新四国曼荼羅霊場
86番 江音寺 -- 87番 正光寺 -- 88番 黒瀧寺

正光寺は、その歴史的な背景と美しい自然環境が調和した、訪れる人々を魅了する場所です。徳島県を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。

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