正教徒

正教徒とは

「正教徒」とは、キリスト教の一派である正教に属する信者を指す用語です。日本のハリストス正教会でもこの呼称はよく用いられており、正教信徒とも称されることがあります。一般的には、7つの全地公会議を認める諸教会である東方正教会（Eastern Orthodox）の信者を指しますが、これは非カルケドン派（Oriental Orthodox）には当てはまりません。

正教の教会

以下のような教会が正教会に含まれます：

• - グルジア正教会
• - ブルガリア正教会
• - セルビア正教会
• - ロシア正教会
• - ギリシャ正教会
• - ルーマニア正教会
• - 日本正教会

これらの教会はいずれも正教の信仰を共有しており、教義や教理も同様です。すべての正教会は相互に聖礼典（秘蹟）を有効と認めており、いかなる正教徒も「正教徒」と呼ばれています。このことから、正教会同士の教義の違いはほとんど存在せず、フル・コミュニオンの関係が築かれています。

呼称の適切な使い方

メディアなどで見られる「ロシア正教会信徒」や「ギリシャ正教会信徒」という表現は、誤解を招くことがあります。これらは、教会の組織名であり、教派そのものを指しているわけではありません。適切な表現としては、「ロシア正教会に所属する正教徒」や「ギリシャ正教会に所属する正教徒」が推奨されます。しかし、実際には所属する教会が明確でない場合がしばしばです。

例えば、民族的にギリシャ人である人々が多く集まる教区もいくつか存在します（コンスタンディヌーポリ総主教庁やエルサレム総主教庁など）。そのため、民族的にギリシャ人であっても、「ギリシャ正教会に所属する正教徒」とは限らないのです。同様に、民族的にロシア人であるにもかかわらず、在外ロシア正教会やウクライナ正教会に所属している場合もあります。このように、民族的背景と教会の所属は必ずしも一致しない点に注意が必要です。

さらに、管轄に関して論争のある地域の信者は、「ロシア正教会信徒」と呼ばれることに抵抗を示すこともあるため、複雑な関係がうかがえます。そのラッピングによって、バルカン半島では同様のことが見受けられることも考えられます。こうした理由から、自己認識や信教の表現を大切にし、容易に誤解を与えない「正教徒」という用語を使用する方が無難です。

結論

正教徒という言葉の使用に関しては、算段や細やかな配慮が求められます。キリスト教における正教の信者は、相互に結びつきが強く、信仰の基本においては一致していますが、地域や民族的な背景により、その所属や自認は多様です。そのため、誤解を避けるためには、単に「正教徒」と表現することが、よりデリケートな配慮をもって行われることを意味します。

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