正木時茂 (正木時綱子)

正木時茂の生涯と功績

正木時茂（まさき ときしげ）は、戦国時代に名を馳せた武将であり、里見氏の家臣として数々の戦に参戦しました。彼の誕生は1513年（永正10年）で、父は正木時綱、母は未詳です。生涯において数多くの戦功を挙げ、その名を歴史に刻んでいます。

家督相続と初期の戦歴

1533年（天文2年）、里見氏内での内紛、いわゆる「稲村の変」が勃発しました。この戦闘において、時茂は父・時綱と兄を失い、家督を相続することとなります。非常に危険な状況の中、彼は重傷を負いながらも命を拾ったと伝えられています。この出来事が彼の武者としての精神を強化し、後の活躍に繋がります。

その後、時茂は槍術に優れた武将として知られ、特に「槍大膳」と称されることが多く、その名声を確立しました。1534年（天文3年）、彼は里見義堯の寄騎となり、里見義豊討伐に参加。戦に勝利した義堯は安房本国に帰還し、時茂は金谷城に居城を移しました。

北条氏との関わり

1535年（天文4年）には、北条氏綱が扇谷上杉家との戦に際し、北条方の援軍として派遣されましたが、やがて里見氏と北条氏の関係が対立に転じ、1538年（天文7年）の第一次国府台合戦には、里見方として参戦しました。この戦いは後に彼の名声をさらに高めることになります。

勝浦城攻撃と所領の拡大

1542年（天文11年）には金谷城から安房国朝夷郡に本拠を移し、その後、東上総へ進出し勝浦城を攻め落としました。そして1544年（天文13年）には真里谷朝信を討伐し、小田喜城を奪取、これを自身の居城としました。こうした一連の戦闘は、正木時茂の軍事的才能を顕著に示すものでありました。

最期とその影響

1561年（永禄4年）4月6日、時茂はその生涯を終えました。彼の死去に関しては、長らく年号の解釈において様々な説が存在しましたが、近年の研究により正確な命日が確認されています。葬られた場所は安房国長狭郡の長安寺とされ、彼の法号は「長安寺殿武山正文」または「松徹主順」です。

時茂は、戦国時代の武将としての優れた手腕で知られ、越前の朝倉宗滴の記録にも彼の名が載せられています。彼の存在は里見氏の歴史において重要な役割を果たし、後世においても武将としての評価が語り継がれています。正木時茂の生涯は、戦国時代を生き抜いた一人の武将のドラマとして、多くの人々に影響を与え続けているのです。

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