正道党

正道党（せいどうとう）

正道党（Doğru Yol Partisi, 略称DYP）は、トルコの中道右派政党であり、政治の歴史において重要な役割を果たしてきました。この政党の前身は、1946年に設立された民主党で、さらにその後継政党である公正党にさかのぼります。1980年に発生したクーデターにより公正党が解散した結果、1983年に正道党が設立されました。これは、旧公正党の支持者たちによるもので、政治の安定を目指して活動が始まりました。

正道党の歴史は、デミレルという重要な人物の存在なしには語れません。彼は公正党の党首でしたが、軍部の圧力により1987年まで公式には別の人物が党首をつとめていました。しかし、オザル政権が行った国民投票によってデミレルの政治活動禁止が解除され、彼は党首に戻りました。

1991年の総選挙では、正道党は議会で第一党となり、社会民主人民党と連立政権を樹立しました。これにより、デミレルは大統領に選ばれ、その後、タンス・チルレルが党首となり2013年まで首相の職に就くことになります。彼女は、トルコの経済改革の推進が期待されましたが、政権の後半において不祥事が相次ぎ、政権の信頼を失いました。

1995年の総選挙では、イスラーム系政党である福祉党が台頭し、政局は不安定化しました。選挙の結果、チルレル内閣は辞任しましたが、世俗主義を重視する大統領デミレルは、祖国党のユルマズに政権を要請した結果、連立政権が誕生しました。しかし、両党の関係は良好でなく、ユルマズ内閣はわずか3ヶ月で崩壊しました。このため、デミレルは福祉党のエルバカンに組閣を要請し、正道党と福祉党の連立政権が成立しました。

その後、1997年には軍の圧力が強まりエルバカン内閣が退陣し、正道党は閣外協力に回りました。2002年の総選挙では公正発展党が躍進し、正道党は議席を失い院外政党となってしまいます。これによりチルレルは党首を辞任し、新たにメフメト・アールが党首となりました。

2007年の総選挙では、正道党が祖国党との合流を目指しましたが、候補者リスト作成の合意が得られず、両党は別々に選挙戦を戦う羽目になりました。結果、正道党はただ一人の当選者も出せず、祖国党は選挙参加自体が叶わない事態となりました。

歴代党首

正道党の歴代党首は以下の通りです：

• - アフメト・ヌスレト・トゥナ（在任1983年）
• - ユルドゥルム・アヴジュ（在任1983年-1985年）
• - ヒュサメッティン・ジンドルク（在任1985年-1987年）
• - スュレイマン・デミレル（在任1987年-1993年）
• - タンス・チルレル（在任1993年-2002年）
• - メフメト・アール（在任2002年-）

正道党は、設立から数十年にわたりトルコ政治の舞台で活動してきました。その時代背景や選挙結果、政策の変遷を深く理解することは、トルコの政治的な動向を理解するために重要です。

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