正道官衙遺跡

正道官衙遺跡について

正道官衙遺跡（しょうどうかんがいせき）は、京都府城陽市寺田にある歴史的な複合遺跡であり、国の史跡として保護されています。この遺跡は、標高40メートルから50メートルの南向きの台地上に位置し、昔の官衙と集落の痕跡が重なり合ったものとして注目されています。

発見の経緯

この遺跡は、1965年に池畔で発見された瓦片や土器片から、その存在が明らかになりました。当初は「正道廃寺跡」と名付けられましたが、その後の大規模な発掘調査によって、奈良時代の郡衙（行政機関）中心部とされる掘立柱建物群が発見されています。これにより、1974年に名称が「正道遺跡」と改められました。

遺跡の構成

遺跡は、5世紀の古墳から始まり、6世紀後半から7世紀にかけての集落遺構、さらに7世紀以降に整然と配置された掘立柱建物群へと発展しています。特に官衙の遺構は、奈良時代の山城国久世郡の中心部であったと考えられています。

1974年には国の史跡に指定され、翌年には公有化されました。これにより、遺跡の保護と活用が進められることとなります。

整備と活用

遺跡発見後、長い間は埋め戻され、その後広場として利用されてきました。しかし、地域の人々が遺跡の保存と活用に積極的に取り組むようになり、1989年には文化庁の指導のもと、城陽市内の史跡整備にかかる計画が策定されました。これを受け、1991年から整備工事が始まり、1992年に史跡公園として一部が復元されました。現在では芝生や万葉植物が配された公園として、市民や観光客に利用されています。

アクセス

遺跡はJR奈良線の城陽駅から徒歩約10分の場所に位置しており、アクセスも良好です。周囲には文化的な背景を感じながら散策できるエリアが広がっています。

関連項目

正道官衙遺跡は、近畿地方の貴重な史跡の一つとして、地域の歴史を示す重要な場所です。訪れることで、奈良時代の文化や生活、行政の形態を知る貴重な体験ができるでしょう。遺跡を通じて、古代の日本の姿に思いを馳せることができます。

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