武信由太郎

武信由太郎について

武信由太郎（たけのぶ よしたろう）は、1863年に因幡国気多郡潮津村（現在の鳥取市青谷町）に生まれ、1930年に逝去した日本の英語学者です。明治から大正期にかけて活躍した彼は、英語教育や辞典編纂の分野で多大な影響を残しました。

学歴と初期のキャリア

1876年に官立愛知英語学校に入学し、1880年には卒業後、札幌農学校の第4期生となります。1884年には札幌農学校を卒業し、長野県中学校飯田支校で英語の教員として仕事を始めました。その後、1887年には『ジャパン・メール』の記者へと転身します。三重県での教員生活を経て、1897年に友人である頭本元貞と共に『ジャパン・タイムズ』を創刊することになります。

英語教育の貢献

1898年、救済策として英語を学ぶ必要性を訴え、ジャパン・タイムズの業務の傍らで月刊雑誌『The Rising Generation 青年』を立ち上げました。これは後に広告収入で運営が続けられ、英語教育に寄与しました。1904年には英語青年社が設立され、その間、喜安璡太郎に出版事業が引き継がれました。再び教壇に戻った後は東京高等師範学校や早稲田大学商学部で教鞭を執りました。

「ジャパン・イヤーブック」の創刊

1905年には、日本初の本格的な英文年鑑『ジャパン・イヤーブック』を出版しました。この年鑑は、日本の政治、経済、文化、そして台湾、朝鮮、樺太、満州を含む地域の情報を詳細な統計データとともにカバーし、その後も戦中から戦後にかけて継続的に発行されました。国際的にも評価され、ロンドンやニューヨークにおいても販売代理店を設置しました。

辞典編纂の功績

1907年から1914年までは『英語世界』の和訳を担当し、1918年には日本初の本格的な和英辞典『武信和英大辞典』を著しました。この辞典は没後の1940年に『新和英大辞典』と改題され、今でも広く利用されています。

晩年と業績の評価

武信由太郎は、1930年に胃癌により逝去しましたが、その足跡は語学教育や辞典の編纂といった多くの分野に残り、後の世代に受け継がれています。彼の著述には、

• - 『The Rising Generation 青年』（1898年 - 1904年）
• - 『The Japan Year Book』
• - 『武信和英大辞典』（1918年）
• - 『新和英大辞典』（1940年）

など、多岐にわたる作品があります。彼の存在は、英語教育や辞書編纂におけるモデルケースとして、今でも多くの研究者や実践者に影響を与えているのです。

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