武庫川出入口

武庫川出入口（むこがわでいりぐち）

阪神高速道路3号神戸線に設けられた武庫川出入口は、兵庫県西宮市に位置するインターチェンジです。この出入口は、大阪方面からの車両にとっては高速道路への入口として機能し、一方、神戸方面からの車両にとっては一般道路への出口として利用できる、いわゆるハーフインターチェンジの形態をとっています。路線番号は3-08が付与されています。

現在の入口には料金所が設けられていますが、これは2016年11月に実施された阪神高速神戸線の集中工事に伴い、周辺の尼崎本線料金所や尼崎西出口料金所が廃止されたことによる措置として開設されたものです。

この出入口は、主に国道43号線（第二阪神国道）や西宮市道幹第5号線（小曽根線）といった主要な一般道路と接続しており、周辺地域へのアクセスを担っています。特に、出口の案内標識には「甲子園」方面への表示が見られ、阪神甲子園球場へのアクセスポイントとしても機能しています。周辺には、阪神本線の鳴尾・武庫川女子大前駅や、阪神本線・武庫川線の武庫川駅といった鉄道駅のほか、武庫川女子大学、兵庫医科大学、西宮笠屋郵便局などが点在しています。興味深いことに、神戸方面からの出口が形成する大きなループの内側には、西宮市立武庫川すずかけ作業所が位置しています。

武庫川出入口の大きな特徴として、神戸方面からの出口が設けられた経緯と、その独特な構造が挙げられます。かつて、阪神高速3号神戸線のこの区間には、神戸方面からの出口がありませんでした。そのため、大阪方面から西宮方面へ向かう場合、利用者は一つ手前の尼崎東出口で高速道路を降り、直下を通る国道43号線を利用する必要がありました。もし尼崎東出口を通過してしまうと、次に降りられるのは遠く離れた芦屋市内までなく、非常に不便でした。また、多くの利用者が尼崎東出口に集中した結果、慢性的な渋滞が発生するなど、利用者からの不満の声が多数上がっていました。

こうした状況を受けて、ようやく1990年代になって神戸方面からの出口が新設されました。しかし、出入口が位置する武庫川橋梁区間は、上下線を重ねた2層構造となっており、特に下り線の高さが非常に高い位置にあります。この高低差を解消しつつ一般道へ接続するためには、直線的な構造では非常に長い距離が必要となり、用地の確保が困難でした。この地理的・構造的な制約から、やむなく出口は大きく旋回するループ状の構造が採用されることとなりました。この急カーブを描くループ構造のため、出口ランプの制限速度は30km/hと通常の高速道路出口としては異例に低く設定されており、通過には十分な注意が必要です。この独特なループ形状は、案内標識上でもループを描く形で表現されており、利用者に注意を促しています。

また、この武庫川出入口は、隣接する西宮インターチェンジ（西宮IC）で名神高速道路と接続する際にも重要な役割を果たします。阪神高速3号神戸線は、西宮ICで名神高速道路とは神戸方面行きのみが直接接続しています。したがって、大阪方面から来て名神高速道路（大阪方面）へ向かいたい場合や、名神高速道路（大阪方面）から来て阪神高速3号神戸線（大阪方面）へ向かいたい場合は、一度この武庫川出入口で高速道路を降り、一般道を経由して再度乗り直す必要があります。

阪神高速3号神戸線における隣接する出入口は以下の通りです。
(3-07)尼崎西出入口 - (3-08)武庫川出入口 - (3-09)西宮IC

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