段興智

段興智（だん こうち）について

段興智は大理国の第22代の国王であり、この国が後の大理国として位置付けられる8代目の君主です。大理国はその時代、モンゴル帝国の侵攻という大きな脅威にさらされていました。特に著名なモンゴル帝国の指導者、クビライに引き入れられる形で歴史的な出来事が展開されました。

段興智は、自国を防衛するために宰相の高泰祥に軍を率いさせ、モンゴル軍に立ち向かうよう命じました。しかし、高泰祥は迎撃に失敗し、残念ながら戦死してしまいます。この敗北を受けて、段興智自身は鄯闡に逃れ、そこで抵抗を続けました。

しかし、1253年にはモンゴル軍のウリヤンカダイに敗北し、捕虜として捕まってしまいます。その後、憲宗モンケとの面会を果たし、幸いにも命を救われました。捕虜となった段興智は大理総管に任命され、モンゴルによる雲南の平定の一翼を担うこととなります。

1260年、北上しクビライと面会するために旅に出た段興智は、弟の段実と共に向かいましたが、道中でこの世を去ってしまいます。その後、1261年には後大理国の向義天定賢王の位を追贈され、その死後も段氏の名は歴史に刻まれることとなりました。

段興智の後、彼の地位は弟の段実が引き継ぎ、その後も段氏一族によって世襲されていきます。在位中の1267年、クビライの子であるフゲチが雲南王に任じられると、段氏の大理総管もこの新たな王の統治下に組み込まれました。フゲチの子孫たちは雲南王国を築き、その後「梁王国」とも呼ばれ、特に地域の政治において大きな役割を果たしました。

段興智の統治は、モンゴル帝国の影響を受けながらも、彼の抵抗や政策により大理国が持ちこたえる基盤を作ったと言えるでしょう。彼の活動は、モンゴルの圧力に対抗しつつも国を維持するための試行錯誤の象徴であり、その後の大理国の運命にも影響を及ぼしました。段氏一族の影響は長く続き、雲南の歴史において重要な位置を占めることになりました。

もう一度検索