段銭

段銭（たんせん）とは

段銭は、中世日本において、臨時に課せられた税の一種です。その起源は、鎌倉幕府が仁治2年（1241年）に課した例が初出とされています。当初、段銭は国家的な行事や寺社の造営など、臨時の支出が必要な際に、地域を限定して（多くは国ごと）課せられました。銭納が原則であり、「田畑一反あたり何文」という形で徴収されました。

段銭の種類

段銭には、主に以下の2種類がありました。

公田段銭（こうでんだんせん）
大田文に記載されている公田の数量に応じて課税される段銭です。これは、国家が課税する段銭の基本的な形態でした。
地口銭（じくちせん）
都市部で課せられた税で、土地の広狭を基準にして、その土地を利用する者に課せられました。

室町時代における段銭

室町時代になると、段銭は度々課せられるようになり、次第に恒常的な税へと変化していきます。段銭が賦課された国には、原則として幕府から奉行が派遣され徴収にあたりましたが、守護に代行させる場合もありました。しかし、奉行や守護による徴収の場合、実際には彼らが算定した賦課額に上乗せした金額を徴収して差額を得ることもありました。そのため、公家や寺院、奉公衆・奉行衆などの室町幕府官僚集団は、段銭免除や京都の幕府倉奉行への直接納付（京済・直進）の特権を幕府から得ていました。

私段銭

守護や荘園[[領主]]なども、私段銭と呼ばれる私的な段銭を徴収するようになりました。各領主は、段銭帳を作成し、領内で賦課する段銭の基礎資料や記録としていました。私段銭は、後に守護大名・戦国大名による領主的な賦課へと転換していきます。

段銭の変遷

段銭は、当初は臨時の税でしたが、室町時代を通じて恒常的な税へと変化していきました。また、課税主体も幕府から守護や戦国大名へと移り変わり、中世社会の税制を特徴づける重要な要素となりました。

関連事項

棟別銭（むなべつせん）

参考文献

高柳光寿、竹内理三「角川日本史辞書」、角川書店、1979年10月。

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