殺しの分け前/ポイント・ブランク

殺しの分け前/ポイント・ブランク

『殺しの分け前/ポイント・ブランク』（原題：Point Blank）は、1967年に制作されたアメリカのアクション映画である。この作品は、ドナルド・E・ウェストレイクによる小説「悪党パーカー/人狩り」を基にしており、リチャード・スタークという名義で知られる著者によるものである。映画はジョン・ブアマンが監督を務め、彼にとっては劇場公開作としては第2作目となり、同時に彼の出世作とも言われている。

あらすじ

物語は、主人公ウォーカーが戦友であるマルの頼みで、アルカトラス刑務所跡の密売金を奪取しようとするところから始まる。しかし、マルは突如として裏切り、ウォーカーを撃った上で、金を持って逃げてしまう。幸いにもウォーカーは大きな傷を負うことなく生き残るが、マルはウォーカーの妻リンと組んで逃げてしまう。

1年後、ウォーカーはリンとマルの行方を追い始める。彼はヨストという名の男から、分け前と妻を取り戻す手助けを申し出られるが、その条件として自分が組織を支配するための協力を求められる。ウォーカーはマルがリンを囲っているマンションの情報を得るが、彼が訪れた先で待っていたのは、予期せぬ悲劇だった。ウォーカーがようやく再会したリンは、夫を裏切ったことへの後悔から自ら命を絶ってしまう。

ウォーカーはリンの死を乗り越え、マルから借りた金を取り戻す決意を固める。彼はまず、リンのために手当てを持ってきた組織の下っ端からマルの配下であるビッグ・ジョンの名前を聞き出す。復讐の炎が燃え上がる中、ウォーカーはビッグ・ジョンと対峙し、マルが新たにリンの妹クリスを情婦にしようとしていることを突き止める。

ウォーカーはクリスの協力を得て、マルのマンションに忍び込む。しかし、マルは「金は全て組織に納めた」と告げ、ウォーカーは彼から組織のボスたち、カーター、ブルースター、フェアファクスの名を聞き出す。マルが命乞いをする中で、ウォーカーの心には深い怒りが渦巻いていた。最終的に、マルはウォーカーの手から逃れようとし、悲劇的な結末を迎える。

復讐心に突き動かされたウォーカーは、残された手がかりを頼りに、組織を牛耳る3人のボスに次々と迫っていく。彼が抱く想いは、ただ一つ、奪われた金と妻の名誉を取り戻すことであった。この映画は、復讐のために立ち上がる男の強い意志を描き出し、アクション映画としての魅力だけでなく、心理面にも深く迫る作品となっている。

キャスト

• - ウォーカー：主演キャラクター
• - マル：ウォーカーの戦友で裏切り者
• - リン：ウォーカーの妻
• - ビッグ・ジョン：マルの配下

関連作品

この映画には1999年に作られた『ペイバック』という作品がある。こちらはメル・ギブソンの主演で、同じく「悪党パーカー/人狩り」を原作としている。

このように、『殺しの分け前/ポイント・ブランク』は単なるアクション映画にとどまらず、復讐というテーマを通じて人間関係や道徳についての深い考察も提供している。この映画は今なお多くのファンに支持され続けているのだ。

もう一度検索