殺シノ調べ This is NOT Greatest Hits

殺シノ調べ This is NOT Greatest Hits

『殺シノ調べ This is NOT Greatest Hits』は、日本のロックバンドBUCK-TICKによるセルフカバーアルバムで、1992年3月21日にビクター音楽産業のInvitationレーベルからリリースされました。このアルバムは、通常のベストヒット集とは異なり、過去の作品から選りすぐりの楽曲を新たに再アレンジした形で収録されています。

アルバムの背景

『殺シノ調べ』は、前作『狂った太陽』から約1年1か月の間に発表されました。特筆すべきは、本作にはミニ・アルバム『ROMANESQUE』からの楽曲が一切収められていない点です。制作は前作の成功を受け継ぎ、過去作の楽曲を新しい視点で再構築することを目的としていました。このアルバムが生まれるきっかけとなったのは、シングル「M・A・D」の再録音において予想を超えた完成度を得たことです。また、レコード会社からの強い要望により、収録予定に無かった『狂った太陽』からの楽曲も含まれることになりました。そのため、本作には「This is NOT Greatest Hits」という副題が付けられました。

過去作品の再アレンジ

制作にあたって、メンバー一同は音楽的な向上を図るため、オルタナティブ・ポップやゴシック・ロックの要素と共に、デジタル・ロックやエレクトロニカの新しい要素を融合しました。今井寿は、収録された楽曲がまったく新しい作品としての表現を目指していることを強調しています。実際のレコーディングには1217時間を費やし、今井は様々なギターを駆使しました。

リリースとプロモーション

アルバムは2形態でリリースされ、発売と同時にオリコンチャートでは第1位を獲得。BUCK-TICKとしても歴史的な成功を収め、売上は33.8万枚に達しました。プロモーション活動の一環として、テレビ番組『ミュージックステーション』への出演が行われました。また、2002年にはデジタルリマスター版が発売されました。

コンサートツアー

このアルバムに合わせたツアー「殺シノ調べ This is NOT Greatest Tour」は、1992年3月から5月にかけて全国20都市で開催されました。ライブでのパフォーマンスは、アルバム収録曲を中心に構成され、特にライブバージョンには細やかなアレンジが施されています。観客にとっては、記憶に残る特別な体験となり、ツアーの模様は後にライブビデオとしてもリリースされました。

チャート成績

『殺シノ調べ』はオリコンチャートにおいて1位を獲得し、12回のチャートインを記録しました。この売上数はBUCK-TICKのアルバムとしては2位の成績であり、ファンの間でも高い評価を受けています。

収録曲の特徴

収録曲のアレンジは、原曲のイメージを保ちながらも新たな形で仕上げられ、多様な音楽スタイルが反映されています。特に「M・A・D」や「ORIENTAL LOVE STORY」などは、アルバム独自のカラーを持っています。各曲のアレンジについてのコメントも多く、今井や櫻井などのメンバーが楽曲ごとに思い入れを持っていることが伺えます。

『殺シノ調べ This is NOT Greatest Hits』は、BUCK-TICKの音楽の核心が凝縮された作品であり、その再アレンジによって新たな生命を吹き込まれている点が魅力的です。

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