母に捧げるバラード

母に捧げるバラード

「母に捧げるバラード」は、日本のフォークバンド・海援隊がリリースした楽曲で、インディーズ時代とメジャーデビュー後に複数回にわたりシングルとして発売されました。この楽曲は、海援隊のメンバーである武田鉄矢が作詞を手掛け、自身の母親への感謝と愛情を込めて書かれたとされています。

インディーズ盤

インディーズ時代には2作目のシングルとしてリリースされ、A面にはアルバム『望郷篇』に収録されていたものとは異なるアレンジが施されたバージョンが収録されています。このシングルは、翌年の『第16回日本レコード大賞』で企画賞を受賞し、さらに『第25回NHK紅白歌合戦』への初出場を果たすきっかけとなりました。オリコンチャートでは最高10位を獲得し、海援隊にとって初のトップ10入りを果たした記念すべき作品です。

収録曲

1. 母に捧げるバラード [3:58]
作詞：武田鉄矢、作曲：海援隊、編曲：三保敬太郎
上京したものの売れなかった武田が、母親への詫び状というコンセプトで書いたフォークソング。
2. さすらいの譜 [4:09]
作詞：武田鉄矢、作曲：中牟田俊男

メジャー盤

メジャーデビュー後にもシングルとして再リリースされており、インディーズ盤とは異なるライブ音源が収録されています。

収録曲

1. 母に捧げるバラード [4:01]
作詞：武田鉄矢、作曲・編曲：海援隊
インディーズ2ndシングルの表題曲のライブ音源。
2. 故郷未だ忘れ難く [3:45]
作詞：武田鉄矢、作曲：中牟田俊男、編曲：海援隊
インディーズ3rdシングルの表題曲のライブ音源。

メジャー再発盤

さらに後年、メジャー再発盤もリリースされ、異なるライブアルバムからの音源が収録されています。

収録曲

1. 母に捧げるバラード
作詞：武田鉄矢、作曲・編曲：海援隊
2ndライブアルバム『一場春夢』からの音源化。
2. 母に捧げるバラード'82
作詞：武田鉄矢、作曲・編曲：海援隊
4thライブアルバム『始末記』からの音源化。

収録アルバム

この楽曲は、以下のアルバムにも収録されています。

望郷篇 (#2)
12の風景 (#2)
航海誌 (#1,2)
海援隊EPILOGUE (#2)
海援隊 全曲集 (#2)
海援隊 (#1,2)
海援隊/贈る言葉 (#1,2)
全曲集 (#1,2)
BEST〜エレック・イヤーズ〜 (#1,2)
海援隊 全曲集 (#1,2)
ベストアルバム (#1,2)

エピソード

1974年には、ジャーナリストの竹中労が、鈴木清順監督に映画を撮らせようと東映に働きかけ、鈴木監督の復帰作として映画化が計画されたことがありました。映画の内容は、吉原のソープランドを舞台にしたもので、偏屈な江戸っ子が主人公という、曲のイメージとは大きくかけ離れたものでした。脚本は佐々木守と東映の内藤誠が共同で執筆し、主演は岡田裕介、武田鉄矢の出演も予定されていましたが、岡田裕介が脚本を読んだ際に自身の父親である岡田茂東映社長に「こんな脚本でよく東映は映画を作っているね」と発言したところ、岡田茂も脚本を読み内容の酷さを認め、企画を出したプロデューサーを解雇し、企画自体が潰されました。これにより、武田鉄矢の俳優デビューは少し先延ばしになりました。

この楽曲は、海援隊の音楽活動だけでなく、当時の映画業界の裏側も垣間見ることができるエピソードを含んでいます。

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