竹中労

竹中労の生涯と業績

竹中労（たけなか ろう）は、1928年に東京で生まれ、本名は竹中努。日本のルポライター、アナーキスト、評論家として知られる彼は、特異な経歴と鋭い社会批評で一世を風靡した。父は画家の竹中英太郎で、妹は竹中英太郎記念館の館長を務めている。彼はその活動を通じて、政界や芸能界に対する批判的な視点を展開し、数多くの問題作を制作した。

学生運動と労働運動の軌跡

若き日に甲府中学校（現在の山梨県立甲府第一高等学校）で学ぶも、1945年には校長退陣を求めるストライキを主導。デモや学校占拠を繰り返し、社会運動家としての素質を顕在化させた。1947年には日本共産党に入党し、その後は肉体労働に従事しながら、労働組合活動に参加。数度の逮捕を経験し、1952年には甲府刑務所での収監も果たす。

芸能界への進出

釈放後は、『女性自身』のライターとして芸能を通した活動を開始。多岐にわたる著作を通じて、芸能人や有名人の裏側を暴露し、彼自身の名前が広まることになる。1964年にはデビュー作『団地七つの大罪 近代住宅の夢と現実』を発表し、以降も『タレント帝国』などの著書で芸能界の実情を告発していく。

社会活動と思想の深化

竹中は1965年から1970年にかけて、「世界革命」を志し、アジアやキューバなどを訪問。日本共産党に復帰しながらも、党とのトラブルが続き、1967年には除名される。それでも、彼の行動は止まらず、山谷解放闘争への参加や部落解放同盟との対立など、様々な運動に関与した。特に、1973年には平岡正明との共著『水滸伝 窮民革命のための序説』を刊行し、「新左翼三バカトリオ」と呼ばれるようになる。

メディアと娯楽界での影響

彼はまた、映画界でも積極的に活動し、1969年からは「セックスドキュメントシリーズ」など性風俗をテーマにした作品に関与。1980年には『戒厳令の夜』を制作し、様々な映画企画に携わった。また、晩年にはテレビ番組『三宅裕司のいかすバンド天国』の審査員を務め，バンド「たま」を高く評価した。

晩年と遺産

1991年、肝臓癌を患いながらも活動を続けた竹中は、同年に亡くなる。彼の死後も、様々な著作や評価が続く中で日本の視野を広げた一人として記憶されている。竹中労の作品と生き様は、日本の現代史における重要な部分を占めており、社会を厳しく見つめる視線は今なお多くの人々に影響を与え続けている。彼の果たした役割や視点は、現代においても意義のあるものである。

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