母里藩

母里藩の歴史

母里藩（もりはん）は、松江[[藩]]の支藩であり、松平家の一員によって設立されました。この藩の歴史は寛文6年（1666年）に始まります。同年の4月29日、松江[[藩]]主・松平直政の三男・隆政が1万石を与えられ、母里藩として独立しました。最初の藩庁は能義郡母里、現在の安来市伯太町西母里に設置されました。

初代藩主の隆政は、所領を確定させるための蔵米支給制度を通して藩の基盤を整えましたが、彼には子がいなかったため、延宝3年（1673年）の死去後には一時的に藩が廃止される事態に陥りました。隆政の死後、遺族は弟の直丘を後継者として希望しましたが、最初は認められずにいました。しかし、わずか1か月後に直丘に藩主としての地位が与えられ、相続が成立しました。

2代藩主の直丘以降、藩の運営は次第に不安定となり、特に3代の直員は暗愚な藩主として知られています。官職にふさわしくない行動や、無能さが藩の運営を混乱させました。その後、4代藩主の直道も後継者がなく、家臣である平山弾右衛門が自身の子を藩主の落胤と称して藩を乗っ取ろうとする事件が発生しましたが、松江[[藩]]への報告がきっかけで弾右衛門は死罪となりました。直道の弟である直行が5代藩主として藩を引き継ぐこととなりました。

このころ、藩の財政は厳しい状態にありました。石見銀山からの借金を重ねるなかで、藩は自転車操業を強いられていました。母里藩の地理的条件も厳しく、農業が不振であったため、特産物および産業を育成することが困難でした。そのため、藩の財政再建のための施策を講じる余裕はなく、状況は悪化する一方でした。

母里藩は定府の大名であり、参勤交代を行わず、江戸[[藩邸]]は現在の港区北青山2丁目に位置していました。藩の外政務は主に家老である小沼氏などの家臣が担っていました。地元においては、国許の国政は国家老の市川氏や狩野氏が主導し、政務に従事していました。

明治時代に入ると、母里藩は変革に直面します。明治2年（1869年）には版籍奉還を経て母里藩となり、その後の明治4年（1871年）に廃[[藩置県]]が実施されました。最終的に母里県は松江県、広瀬県、浜田県の一部と併合し、島根県として再編されました。最後の藩主であり知藩事も務めた松平直哉は、明治17年（1884年）に子爵に叙されました。

基本情報

• - 石高: 1万石
• - 実高: 約9500〜1万0500石（推計）
• - 集落: 20か村（正保国絵図、郡村誌から）
• - 人口: 5000〜1万人程度（1700年初頭、正徳年間の推計）
• - 藩主体系: 越前松平家分家、従五位に属する
• - 菩提寺: 一乗寺（浄土宗）、天徳寺（港区虎ノ門）
• - 家紋: 丸三九葉三葉葵巴、裏紋は六つ葵・三鐶三九葉三葉葵巴。

歴代藩主

• - 隆政
• - 直丘
• - 直員
• - 直道
• - 直行
• - 直暠
• - 直方
• - 直興
• - 直温
• - 直哉

このように母里藩は、その歴史を通じて多くの困難を乗り越えながら、地域の政治的、社会的状況に影響を与えてきた重要な藩でした。

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