浜田県

浜田県とは

浜田県は、1871年（明治4年）に石見国と隠岐国内の幕府領、旧浜田[[藩]]領を管轄するために明治政府によって設置された県です。現在の島根[[県]]西部（石見地方）と隠岐諸島を管轄していました。本稿では、浜田県の前身である隠岐県、大森県についても解説します。

概要

江戸時代、隠岐国は幕府領、石見国は浜田[[藩]]、津和野[[藩]]のほか、石見銀山周辺の幕府領を管轄する大森代官所によって支配されていました。幕末には長州藩の侵攻を受け、浜田[[藩]]が移封され、大森代官所の管轄地域と合わせて長州藩の支配下となりました。

1869年（明治2年）2月、松江[[藩]]が預かっていた隠岐国一円の幕府領を管轄する隠岐県が発足しました。しかし、わずか半年後には県庁を大森代官所に移転し、大森県と改称。さらに石見国内の長州藩の支配地域を管轄下に加えました。

1870年（明治3年）、大森県は県庁を那賀郡浅井村（現在の浜田市）に移転し、浜田県に改称しました。翌1871年（明治4年）には廃藩となった津和野[[藩]]を編入し、石見国一円を管轄するようになりました。1872年（明治5年）の第一次府県統合では存続しましたが、隠岐国は島根[[県]]に合併され、浜田県から分離。残部も1876年（明治9年）の第二次府県統合により島根[[県]]に合併され、浜田県は廃止されました。浜田県県令の佐藤信寛は、退任後まもなく島根[[県]]県令に就任しています。

沿革

1869年（明治2年）
2月25日：明治政府が、周吉郡（現在の隠岐郡隠岐の島町旧西郷町）に松江[[藩]]預所となっていた隠岐国一円を管轄する隠岐県を設置。
8月2日：隠岐県が県庁を邇摩郡佐摩村大森（現在の大田市大森町）の大森代官所に移転し、大森県に改称。
1870年（明治3年）
県庁を那賀郡浅井村（現在の浜田市浅井町）に移転して浜田県に改称。
1871年（明治4年）
6月25日：廃藩となった津和野[[藩]]を編入。
11月15日：第一次府県統合により隠岐国が島根[[県]]に合併。
1876年（明治9年）
4月18日：第二次府県統合により島根[[県]]に合併。同日、浜田県廃止。

管轄地域

第一次府県統合以前

津和野[[藩]]を編入する前の範囲を示します。郡の一部と記載している箇所は、残部がすべて津和野[[藩]]領であったことを示します。

隠岐国一円（松江[[藩]]預所）
海士郡 - 8村
知夫郡 - 5村
穏地郡 - 16村
周吉郡 - 32村
石見国
安濃郡 - 30村（大森代官所）
邇摩郡 - 46村（同上）
那賀郡のうち - 90村（大森代官所14村、浜田[[藩]]領80村）
邑智郡のうち - 100村（大森代官所54村、浜田[[藩]]領46村）
美濃郡のうち - 50村（大森代官所1村、浜田[[藩]]領49村）
鹿足郡のうち - 5村（大森代官所）

第一次府県統合以降

石見国一円

歴代知事

隠岐県

1869年（明治2年）2月25日 - 1869年（明治2年）7月17日：知事・真木益夫（前弁事出仕、元久留米[[藩]]士）
1869年（明治2年）7月17日 - 1869年（明治2年）8月2日：権知事・真木益夫（前隠岐県知事）

大森県

1869年（明治2年）8月2日 - 1870年（明治3年）1月9日：権知事・真木益夫（前隠岐県権知事）

浜田県

1870年（明治3年）1月9日 - 1870年（明治3年）9月5日：権知事・真木益夫（前大森県権知事）
1870年（明治3年）9月5日 - 1871年（明治4年）11月15日：権知事・佐藤信寛（元山口藩士）
1871年（明治4年）11月15日 - 1874年（明治7年）8月15日：権令・佐藤信寛（前浜田県権知事）
1874年（明治7年）8月15日 - 1876年（明治9年）4月18日：県令・佐藤信寛（前浜田県権令）

関連項目

隠岐の歴史
石見銀山 - 周辺の幕府領についても解説。
島根[[県]]

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