毎日大阪会館

毎日大阪会館

毎日大阪会館は、大阪市北区堂島1丁目6番20号に位置していた複合ビルで、かつて毎日新聞大阪本社や毎日放送（MBS）の本社機能など、様々な機関が入居していました。文化施設も併設され、多角的な役割を担っていましたが、1997年にその歴史に幕を閉じました。

建築と構成

この会館の運営を目的として、1954年に毎日大阪会館株式会社が設立されました。建物は北館と南館の二棟で構成され、まず北館が1956年に、続いて南館が1958年に竣工しました。北館には毎日文化ホールなどが、南館には毎日ホールや大毎地下劇場などが設けられていました。

会館内の主要機能

開館当初から、毎日新聞社が提供する生涯学習の場である「毎日文化教室」が開設され、1980年に大阪府吹田市へ移転するまで、多くの人々に学びの機会を提供しました。

また、毎日放送（MBS）は、1990年8月まで会館を本社機能の一部として利用していました。ただし、実際のスタジオ機能や主要な業務部門の大部分は、1967年以降に大阪府吹田市に建設された毎日放送千里丘放送センターへ既に移転していました。毎日大阪会館は、MBSが大阪市茶屋町に新たな本社ビルを建設し、1990年9月1日に移転するまでの間、登記上の本店所在地としての役割を果たしました。

文化施設群

毎日文化ホール

北館の11階に位置していた毎日文化ホールは、1956年に「NJBホール」として開設されました。開館当初は、MBSのラジオ・テレビ番組の公開収録会場として利用されることが多かったですが、ミリカホールの完成後は用途が変わり、主に「大毎地下名画鑑賞会」として、低料金で名作洋画が上映される場として親しまれました。

毎日ホール

1958年の南館完成と同時にオープンした毎日ホールは、当初1418席を備えた劇場でした。演劇やコンサートなど、多様な舞台芸術の上演会場として使用され、文化発信の一翼を担いました。映写設備も完備されており、「映像のロマン」と題して日本の名画が再上映される企画も行われました。

1995年には、劇団四季がミュージカル「オペラ座の怪人」の大阪長期公演を行うため、当時使用していた近鉄劇場に代わってこの毎日ホールを利用することになりました。劇団四季によって劇場は大幅に改修され、座席数は1179席に変更されました。この改修を機に、ホールは「MBS劇場」と改称され、劇団四季の大阪での活動拠点となりました。その後も演劇やミュージカルに特化した劇場として使用されましたが、会館全体の閉鎖に伴い1997年に閉館しました。劇場の機能は、大阪ビジネスパークへ移転した大阪MBS劇場（後のシアターBRAVA!）へと引き継がれました。

大毎地下劇場

南館の地下1階にあった大毎地下劇場は、封切り後の作品などを二本立て・低料金で上映する名画座として運営されていました。手頃な価格で映画を楽しめる場として多くの利用者に親しまれましたが、毎日ホールがミュージカル専門劇場として改修される計画が進む中で、劇場施設の再編の一環として閉館が決定しました。1993年3月28日をもってその歴史に幕を閉じました。

閉鎖と跡地

毎日大阪会館は、1997年に閉鎖されました。会館の運営会社であった毎日大阪会館株式会社は、その後2005年4月に株式会社毎日ビルディングに吸収合併されています。

会館の跡地は再開発され、現在では北館の跡地にオフィスビルである堂島アバンザが、南館の跡地にホテルエルセラーン大阪と堂島プラザビルが建設されています。かつて大阪の中心地で文化とメディアの拠点として賑わった毎日大阪会館は姿を消しましたが、その場所は新たな建築物によって活用され続けています。

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