毛允淑

毛允淑：20世紀韓国文学の先駆者

毛允淑（モ・ユンスク）は、1909年に咸鏡南道元山で生まれた詩人であり、彼女の文学作品は韓国文化に大きな影響を与えてきました。本貫は広州毛氏で、英語名はマリオン・モ（Marion Moh）です。彼女の家族の中にも著名な人物が多く、弟の毛麒允は詩人として知られ、姪の毛恵晶は梨花女子大学で教授を務め、元大統領直属の科学国政諮問委員としても活動していました。

略歴と文学活動

毛允淑は、幼少期から教育に恵まれ、咸興永生普通学校や開城好寿敦女子高等普通学校を卒業し、その後梨花女子専門学校の英文科を修了しました。日本の統治下においては北間島の女学校で教職に就きながら、京城中央放送局で記者としても活動を開始。文学と報道の両面での才能を発揮していました。

1934年には安浩相と結婚し、彼女の社会的活動は戦争中も続きました。朝鮮文人協会の幹事として文学支援に奔走し、また国民を鼓舞する活動にも従事しました。解放後には梨花女子大学やソウル大学で教師として後進を育成し、女性の地位向上に尽力しました。

毛允淑は1948年、国連韓国臨時委員団の一員として活動し、南北統一政府の実現に寄与しました。また、国連監視のもとで行われた初代総選挙に参加し、単独建国の道を開くための努力をしてきました。インドに滞在中にはネルーの晩餐会に招待されるなど、国際的な交流も行いました。

文学の道と受賞歴

彼女の詩作は多様なテーマを扱い、特に女性の視点からの表現が特徴的です。デビュー作である『빛나는 지역』（輝く地域、1933年）は、彼女の独自の視点を色濃く反映させた作品として評価されています。また、彼女の作品群からは『옥비녀』（玉簪、1947年）、『풍랑』（風浪、1951年）、『정경』（情景、1953年）、『풍토』（風土、1970年）、『논개』（論介、1974年）などがあり、これらは今でも広く読まれています。

受賞歴も豊富で、国民勲章牡丹章や芸術院賞、さらには3.1文化賞を受賞しています。1954年には国際ペンクラブの韓国本部を創立し、副委員長としても活躍しました。また、国会議員としてもその影響力を発揮し、韓国現代詩協会の会長を務めています。

最後の時と評価

毛允淑の生涯は、韓国文学史において重要な位置を占めていますが、彼女の死後、親日反民族行為者に認定されるなど、評価は一様ではありません。しかし、彼女の創作した数々の詩は、今なお多くの人々に感動を与え、韓国の詩壇における重要な存在であり続けています。彼女の業績を振り返ることは、韓国の文化史を理解する上で欠かせない要素となっています。

もう一度検索