毛利信二

毛利 信二（もうり しんじ）は、島根県松江市に生まれ、日本の国土交通行政において長年にわたり重要な役割を担ってきた元官僚です。

島根県立松江北高等学校を経て、東京大学法学部を卒業後、1981年に建設省（現在の国土交通省の前身の一つ）に入省し、官僚としてのキャリアをスタートさせました。

キャリアの初期段階では、本省において建設大臣の秘書官事務取扱や大臣官房文書課企画官を務め、省内における企画・調整業務に携わりました。その後、2001年には国土交通省関東地方整備局建政部長として地方における行政執行の経験を積み、2002年には内閣府本府産業再生機構設立準備室参事官として、省庁横断的な政策課題にも関与しました。

地方行政との連携も深め、2003年には国土交通省大臣官房地方課長を務め、翌2004年には京都市の副市長に就任しました。ここでは、大都市の市政運営に深く関わることで、多様な行政ニーズへの対応力を培いました。

本省に戻ってからは、再び要職を歴任します。2007年に総合政策局不動産業課長として、不動産業に関する政策立案を指揮。また、2008年には大臣官房参事官（人事）、2009年には大臣官房人事課長として、省の人事・組織運営の中枢を担いました。これらの経験は、その後の幹部としての活動の基盤となりました。

さらに、2010年には大臣官房政策評価審議官兼大臣官房秘書室長、2011年には大臣官房審議官（国土政策局担当）、2012年には大臣官房審議官（住宅局担当）を務め、特定の政策分野に関する深い専門知識と省全体の政策調整能力を高めていきました。そして2013年8月には、省の重要事項を総括する大臣官房総括審議官に昇任しました。

局長級のポストとしては、2014年1月に土地・建設産業局長に就任し、建設業や不動産業界を巡る政策を推進しました。続く2015年7月には総合政策局長として、国土交通省の幅広い政策領域を統括する役割を担いました。

省の最高幹部としてのキャリアは、2016年6月の国土交通審議官への昇任から始まりました。そして2017年7月には、官僚機構の頂点である国土交通事務次官に就任し、省全体の政策執行と組織運営の最終責任者として、日本の国土交通行政を牽引しました。

2018年7月末をもって国土交通事務次官を退官した後も、その豊富な経験と知見は様々な分野で求められています。2019年には、三井住友信託銀行顧問、全日本不動産協会特別顧問、不動産保証協会特別顧問、日本都市政策研究所顧問など、複数の団体の顧問を務めました。2020年には、全日本不動産協会の全日みらい研究所所長や、土地総合研究所理事長に就任し、調査研究活動を通じた政策提言などにも関与しました。

そして2021年4月からは、公共性の高い金融機関である住宅金融支援機構の理事長に就任し、国民の住生活を支える重要な役割を担っています。官僚として培った幅広い経験と専門性を活かし、退官後も社会貢献を続けています。

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