毛利匡芳

毛利匡芳（もうり まさよし）：長府藩の再建と文武奨励に尽力した藩主

毛利匡芳は、江戸時代中期に長門国長府藩の第10代藩主を務めた人物です。長州藩主・毛利重就の五男として江戸で生まれ、幼名を政次郎と名付けられました。諱は初め匡豊、後に匡芳と改めました。

生涯

明和6年（1769年）、兄である先代藩主・毛利匡満が嗣子なくして若くして亡くなったため、その跡を継ぎました。安永3年（1774年）には従五位下・甲斐守に叙任されています。天明3年（1783年）には、父・重就の幕府への働きかけにより、城主格となりました。

藩主として、匡芳は藩財政の再建に力を注ぎました。節倹条例や奢侈禁止令を出し、財政の立て直しを図りました。また、文武の発展を重視し、藩校・敬業館を開設しました。これにより、藩士の教育水準向上を目指し、藩全体の学問・武芸の振興を図りました。

寛政4年（1792年）に江戸で亡くなり、長男の元義が跡を継ぎました。法号は功篤院殿哲嵓良壽大居士。墓所は東京都港区高輪の泉岳寺と、山口県下関市長府の功山寺にあります。

系譜

父：毛利重就（長州藩主、元は長府藩8代藩主・毛利匡敬）
母：留楚（瑞順院、武藤氏）
正室：宝珠院（右大臣西園寺賞季の娘）
長女：万亀子（有馬頼端婚約者）
長男：毛利元義（長府藩11代藩主）
継室：鏡貞院（西園寺賞季の娘）
側室：吉浦
次女：数子

人物

毛利匡芳は、藩財政の再建と文武の発展に尽力した藩主として知られています。敬業館の開設は、人材育成の重要性を認識していた彼の先見の明を示すものでしょう。また、質素倹約を奨励し、自らも率先して実行することで、藩全体の意識改革を図りました。その功績は、長府藩の発展に大きく貢献したと言えるでしょう。

彼の政策は、藩士だけでなく領民の生活にも影響を与え、その後の長府藩の安定に繋がりました。毛利匡芳は、長府藩の歴史において重要な役割を果たした人物として、後世に語り継がれています。

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