毛利就直

毛利就直（もうり なりなお）は、寛永13年（1636年）に生まれ、宝永6年（1710年）に没した、江戸時代前期の武士です。長州藩の一門家老である吉敷毛利家の4代目当主を務めました。父は同じく一門家老である右田毛利家の毛利元法、養父は吉敷毛利家の毛利元包です。

生涯

寛永13年（1636年）に毛利元法の次男として生まれた就直は、後に吉敷毛利元包の養子となります。寛文11年（1671年）に元包の隠居に伴い家督を相続し、吉敷毛利家の当主となりました。藩主の毛利綱広、吉就、吉広、吉元の四代に仕え、国家老・執政である当職（とうしょく）を務め、藩政に深く関与しました。

延宝8年（1680年）には、徳佐八幡宮の社殿を再建し、地域社会の発展にも貢献しました。貞享3年（1686年）には、藩内の貞享検地（じょうきょうけんち）の責任者となり、検地事業を推進しました。また、貞享4年（1687年）からは周防国平田（現在の山口県防府市）において干潟の開作（干拓事業）に着手し、元禄15年（1702年）に1057石の加増を受けるという大きな成果を上げました。この干拓事業は、藩の財政を潤すとともに、新たな農地を確保するという重要な役割を果たしました。

宝永6年（1709年）12月15日に74歳で亡くなりました。

子孫

長男の毛利広規は、元禄3年（1690年）に34歳で早世しました。次男の毛利就包は、初め村上武真と名乗り、村上家の養子に出ていましたが、後に実家に戻り嫡男となりました。しかし、元禄8年（1695年）に33歳で亡くなりました。最終的に家督は五男の毛利広包が相続し、吉敷毛利家を継承しました。四男の毛利広政は、実家である右田毛利家を相続しました。

毛利就直は、長州藩における吉敷毛利家の地位を確固たるものにし、藩政に大きく貢献した人物として、その名が残されています。特に、貞享検地の実施や干拓事業の成功は、藩の財政基盤を強化し、その後の藩政運営に大きく寄与しました。また、文化的な貢献として徳佐八幡宮の再建も忘れてはならない功績です。彼の生涯は、藩主を支え、領民のために尽力した家老の鑑として、後世に語り継がれています。

参考文献

* 石川卓美『防長歴史用語辞典』

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