毛利就禎

毛利就禎（もうり なりさだ）は、江戸時代中期に長州藩で活躍した人物です。阿川毛利家は藩内でも重要な地位を占める一門家老であり、就禎はその8代目として生まれました。

延享3年（1746年）に、父である毛利広漢の長男として生を受けます。しかし、宝暦4年（1754年）、父の広漢が藩主・毛利重就との間で意見の衝突を起こし、処罰を受けて隠居することになったため、わずか8歳で家督を相続することとなりました。元服後には、藩主・重就より偏諱を賜り、「就禎」と名乗るようになります。

明和2年（1765年）には、後潟において大規模な干拓事業に着手しました。38町2反という広大な干潟を開発し、新田を造成することで、藩の財政に貢献しました。この干拓事業は、就禎の功績の一つとして語り継がれています。

明和7年（1770年）1月、当時当職（執政・国家老）であった毛利広圓が亡くなったことを受け、その後任として当職に就任しました。当職は藩政を担う重職であり、就禎は藩主を補佐し、藩政の運営に尽力しました。

安永9年（1780年）に隠居し、家督を養子の信任に譲りました。隠居後も、藩政に関与し、信任を支えたと考えられています。享和2年（1802年）11月27日に57歳で死去しました。

就禎の生涯は、幼くして家督を継ぎ、干拓事業や藩政における要職を歴任するなど、多岐にわたります。長州藩における阿川毛利家の地位を確固たるものとし、藩政に大きく貢献した人物として、その名は歴史に刻まれています。

参考文献

石川卓美著「防長歴史用語辞典」
小川國治著 「毛利重就」

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