毛利房直

毛利房直

毛利房直（もうり ふさなお）は、江戸時代後期の長州藩において、一門家老である吉敷毛利家の九代当主を務めた人物です。

生涯

天明5年（1785年）、一門である右田毛利家の毛利広任の次男として生まれました。幼名は栄三郎、後に外記と称しました。

寛政4年（1798年）、房直は大きな転機を迎えます。吉敷毛利家の当主であった叔父の毛利就兼が急逝したため、その婿養子として迎えられ、家督を相続することになったのです。この時、藩主であった毛利斉房から一字を賜り、「房直」と名乗りました。

房直は、養父である就兼と同様に、儒学者である片山鳳翩に師事し、学問に励みました。鳳翩もまた、房直を補佐し、その成長を支えました。

しかし、房直は志半ばにしてこの世を去ります。享和3年（1803年）3月16日、わずか19歳という若さで没しました。早すぎる死は、周囲に大きな悲しみをもたらしました。

房直の死後、家督は藩主毛利斉熙（斉房の弟）の弟である熙載（ひろとし）が養子となって相続する予定でした。ところが、同年5月29日に熙載もまた亡くなってしまいます。そこで、房直の養祖父である就将の次男、包詮が新たに養子となり、吉敷毛利家の家督を継承することとなりました。

このように、房直の死後、短期間に相次いで後継者が決定、変更されたことは、当時の吉敷毛利家にとって大きな出来事であり、その後の家運にも影響を与えたと考えられます。

人物

若くして家督を相続し、将来を嘱望された房直ですが、その短い生涯については、詳しい記録が残されていません。しかし、儒学者に師事し、学問に励んだことなどから、向学心に富んだ人物であったと考えられます。

参考文献

山口市史
石川卓美著「防長歴史用語辞典」

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