毛利親詮

毛利親詮（もうり ちかあき）

毛利親詮は、天保4年（1833年）に生まれ、明治26年（1893年）4月18日に亡くなった、長州藩一門家老である大野毛利家の9代当主です。父は毛利熈頼、母は堅田就正の孫娘であり、正室は綾小路有長の娘でした。子に毛利徳正、宍戸乙彦がいます。

生涯

若年期から家督相続まで

天保4年（1833年）、一門である吉敷毛利熈頼の子として誕生しました。元服の際には、藩主・毛利慶親（のちの敬親）より偏諱を授与され、「親詮」と名乗りました。これは、藩主からの信頼と期待の表れと言えるでしょう。

藩政への参与

文久2年（1862年）には、兵庫警衛総奉行という要職を務めました。これは、当時の長州藩が幕府との関係において重要な役割を担っていたことを示しています。元治の内乱では、大谷口総奉行として萩の防衛に尽力しました。この内乱は、藩内の意見対立が激化したものであり、親詮は萩を守るという重要な任務を担いました。

藩政改革への貢献

慶應元年（1865年）には、登城して藩主・毛利敬親に藩内の抗争の停止を建言しました。これは、藩内の混乱を収拾し、藩政を安定化させるための重要な行動でした。改革派による新政権が成立すると、城代という要職に就任し、藩政を主導しました。

第二次長州征討での活躍

慶応2年（1866年）、長州藩が幕府による第二次長州征討を受けた際には、周防平生の防衛にあたりました。これは、長州藩の存亡をかけた戦いであり、親詮は重要な防衛線を守り抜きました。

死去とその後

明治26年（1893年）4月18日に死去。享年61。五男の乙彦は宍戸家を相続し、明治33年（1900年）に男爵に叙されました。これは、親詮の功績が明治時代になっても高く評価されていたことを示しています。

人物像

毛利親詮は、藩主からの信頼が厚く、藩政において重要な役割を担った人物でした。内乱の停止を建言するなど、平和的な解決を模索する姿勢も持ち合わせていました。また、第二次長州征討では防衛の指揮を執り、長州藩を守り抜きました。これらのことから、親詮は、有能な政治家であり、勇敢な武将であったと言えるでしょう。

参考文献

「吉見・浦・両村上略系譜」（東京大学史料編纂所）
「吉見系図」（東京大学史料編纂所）

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