民主革命党 (パナマ)

民主革命党（Partido Revolucionario Democrático、PRD）は、1979年にパナマで誕生した民族主義的な左派政党です。パナマを統治していたオマル・トリホス将軍の与党として設立され、そのイデオロギーは社会主義インターナショナルに根ざしています。

トリホス将軍の時代

トリホス将軍の時代、パナマは民族主義と左翼的政策を鮮明にしていました。パナマ運河の返還交渉やキューバとの関係強化などがその代表例です。民主革命党の初期の政策も、これらの路線を色濃く反映していました。

ノリエガ将軍と保守化

しかし、1981年にトリホス将軍が謎の飛行機事故で亡くなると、事態は急変します。後継者となったマヌエル・ノリエガ将軍は、アメリカ合衆国の保守派との間で取引を進め、民主革命党も急速に保守化していきました。この変質は、党の支持基盤やイデオロギーに大きな影響を与えました。

パナマ侵攻と民主革命党の没落

1989年、ノリエガ将軍とアメリカ合衆国の関係は極度に悪化し、ついにパナマ侵攻へと発展します。ノリエガ将軍は逮捕され、民主革命党は政権の座から引きずり降ろされました。この事件は、パナマの政治史における大きな転換点となりました。

バジャダレス政権とトリホスJr.

1994年、民主革命党はエルネスト・ペレス・バジャダレスの大統領当選により政権に復帰します。しかし、1999年の大統領選挙で再び政権を失いました。2004年には、オマル・トリホス将軍の息子であるマルティン・トリホスが民主革命党から大統領に選出され、大きな注目を集めました。もっとも、彼の政権は、父の時代と比較すると、政策はより穏健なものとなっています。

民主革命党は、その成立から現在に至るまで、パナマの政治情勢の変遷とともに、自らの立ち位置や政策を変化させてきました。トリホス将軍の遺産を受け継ぎつつも、現実的な政策運営を目指す姿は、現代パナマ政治の一つの縮図と言えるかもしれません。

公式サイト（スペイン語）

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