民営化の一覧

世界の民営化事例一覧

民営化は、政府が所有・運営する企業や事業を民間セクターに移管するプロセスです。その目的は、効率性の向上、競争の促進、財政収入の増加など多岐にわたります。本稿では、世界各国で実施された民営化の事例を国別に紹介し、その背景や結果について考察します。

国別の民営化事例

以下に、各国の民営化事例をまとめます。

アルゼンチン

アルゼンチン航空: かつての国営航空会社。2009年に再国有化。
ENTel (国営電気通信会社): 分割後、フランス・テレコムとスペイン・テレフォニカに売却。
ブエノスアイレス地下鉄: コンセッション方式で運営されているが、所有は国のまま。
Empresa Nacional de Correos y Telegrafos (ENCoTel): コンセッション方式でCorreo Argentinoとして運営。2003年に再国有化。
Obras Sanitarias (水道会社): フランスのSuezにコンセッションとして運営委託されたが、2006年にAguas y Saneamientos Argentinos (AySA)として再国有化。
Fabrica Militar de Aviones (FMA): ロッキード・マーティンに売却。
Ferrocarriles Argentinos: 全国的な鉄道網。一部はキルチネル政権下で再国有化。
Yacimientos Petroliferos Fiscales (YPF): 国営石油会社。スペインのレプソルに売却されたが、2012年にアルゼンチン政府が株式の51%を収用。
Gas del Estado: 国営ガス会社。分割後、スペインのGas Naturalなどに売却。
Agua y Energia Electrica: 国営電力会社。分割後、売却。

オーストラリア

カンタス航空
Commonwealth Bank of Australia
テルストラ

ブラジル

Telebras
エンブラエル

カナダ

エア・カナダ
カナディアン・ナショナル鉄道

日本

日本電信電話株式会社(NTT各社)
日本たばこ産業株式会社(JT)
日本航空株式会社(JAL)
JRグループ(北海道、東日本、東海、西日本、四国、九州、貨物)
日本郵政株式会社
株式会社ゆうちょ銀行
株式会社かんぽ生命保険
NEXCO(東日本、中日本、西日本)

イギリス

ブリティッシュ・テレコム
ブリティッシュ・エアウェイズ
ブリティッシュ・ガス
水道事業
イギリス国鉄

民営化の光と影

民営化は、効率化や競争促進のメリットがある一方で、サービスの質の低下や価格の上昇、雇用の不安定化などのデメリットも指摘されています。特に、公共性の高い事業を民営化する際には、慎重な検討が必要です。また、再国有化の事例も見られるように、民営化後も状況に応じて政策の見直しが行われることがあります。

まとめ

民営化は、各国が経済状況や政策目標に応じて実施する重要な政策の一つです。その成否は、対象事業の特性、市場環境、規制のあり方など、様々な要因に左右されます。各国の事例を参考に、自国にとって最適な民営化戦略を検討することが重要です。

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