気仙沼信用金庫

気仙沼信用金庫について

気仙沼信用金庫（けせんぬましんようきんこ、英語：Kesennuma Shinkin Bank）は、宮城県気仙沼市に本店を置く信用金庫です。地域に根ざした金融機関として、気仙沼市内とその周辺地域、具体的には南隣の本吉郡南三陸町、岩手県南東部の陸前高田市、大船渡市に店舗を展開しています。

歴史

1926年、有限責任気仙沼信用組合として産声を上げました。その後、1951年の信用金庫法施行に伴い、現在の気仙沼信用金庫へと組織変更しました。

2001年には、水産業の低迷やバブル崩壊後の長期不況の影響を受け、経営破綻した岩手信用組合の事業を承継しました。この際、岩手信用組合の5店舗のうち、本店は大船渡支店として、三陸支店と高田支店も営業を継続しましたが、細浦支店と盛支店は廃止となりました。

2006年には、一関信用金庫の三陸沿岸地区からの業務撤退に伴い、大船渡支店と高田支店の事業を譲り受けました。これにより、旧一関信用金庫大船渡支店は盛支店に改称されました（後に大船渡支店内にブランチインブランチとして統合）。また、高田支店は、旧岩手信用組合の店舗を統合し、気仙沼信用金庫高田支店となりました。

東日本大震災からの復興

2011年3月11日に発生した東日本大震災では、気仙沼市を中心とする営業地盤が壊滅的な被害を受けました。気仙沼信用金庫自身も甚大な被害を受け、全12店舗中7店舗が全壊という状況に陥りました。しかし、震災直後から地域経済の復興を第一に考え、リスクを承知で地元企業への融資を積極的に行いました。その結果、年末までに不良債権総額は50億円を超えましたが、この行動は地域社会の衰退を食い止めるための重要な一歩となりました。

この献身的な取り組みはNHKによって長期密着取材され、2012年2月にドキュメンタリー番組として放送され、多くの人々に感動を与えました。

本店は津波によって半壊しましたが、国のグループ化補助金を活用し、旧本店敷地内に地上5階建ての新本店を建設、2017年3月21日から業務を開始しました。新本店は、防災対策として1階の窓を減らし、コンクリートで覆うなどの工夫が凝らされています。

また、地域産品であるサメなどを首都圏へ売り込むため、東京東信用金庫などの都内信用金庫や大学と連携するなど、地域経済の活性化にも積極的に取り組んでいます。

その他の活動

気仙沼信用金庫は、地域金融機関として、ATM出金手数料無料提携「みやぎネット」に参加しており、宮城県内5つの信用金庫と七十七銀行、仙台銀行との間で、ATMの相互利用を促進しています。

2012年には、整理回収機構から130億円の公的資金注入を受け、10年間の返済計画が立てられました。

また、[スポーツ振興くじ]の払い戻し店は、気仙沼市八日町二丁目の本店のみで取り扱っています。

沿革

1926年（大正15年）9月 - 有限責任 気仙沼信用組合として設立。
1933年（昭和8年）1月 - 保証責任信用組合に組織変更。
1943年（昭和18年）12月 - 市街地信用組合法に基づく「気仙沼信用組合」に改組。
1950年（昭和25年）4月 - 中小企業等協同組合法の施行によって「気仙沼信用組合」に改組。
1951年（昭和26年）11月 - 信用金庫法の施行によって「気仙沼信用金庫」となる。
1998年（平成10年）11月 - 徳陽シティ銀行より気仙沼支店の営業の全部を譲り受ける。
2002年（平成14年）7月 - 岩手信用組合の事業の全部を譲り受け、大船渡・三陸・高田の3支店を新設。
2006年（平成18年）10月 - 一関信用金庫より大船渡と高田の各支店の事業を譲り受け、盛支店（旧：一関信用金庫大船渡支店）を新設。
2009年（平成21年）4月 - 気仙沼信金を含む県内5信用金庫と七十七銀行・仙台銀行相互間によるATM出金手数料無料提携「みやぎネット」を開始。
2012年（平成24年）1月 - 整理回収機構より130億円の公的資金注入を受ける（10年返済）。

気仙沼信用金庫は、地域社会と共に歩み、復興と発展に貢献する金融機関として、これからもその役割を果たし続けるでしょう。

もう一度検索