気仙沼湾横断橋

気仙沼湾横断橋

宮城県気仙沼市に位置する気仙沼湾横断橋は、大川河口部と気仙沼湾奥部を結ぶ重要な道路橋です。三陸沿岸[[道路]]（三陸縦貫自動車道）の一部として、2011年度に事業化された気仙沼道路の一部を構成しています。この橋は、市街地の山側を迂回する国道45号気仙沼バイパスに対し、海側を短絡するルートとして建設されました。

概要

気仙沼湾横断橋は、気仙沼港インターチェンジと浦島大島インターチェンジの間に位置し、南北に湾を横断します。建設費の圧縮と距離の短縮を目的として、このルートが採用されました。総事業費1365億円の気仙沼中央IC - 唐桑半島IC間において、気仙沼湾横断橋の事業費は443億円を占めています。2014年6月29日に着工式が行われ、下部工・上部工の工事が進められました。2020年10月9日には正式名称が「気仙沼湾横断橋」に決定し、愛称は「かなえおおはし」と名付けられました。2021年3月6日に供用が開始されています。その優れたデザインと技術力は高く評価されており、2022年度に土木学会田中賞（作品部門）、2023年度にグッドデザイン賞、そして2024年度には土木学会デザイン賞最優秀賞を受賞しました。

構造

橋の全長は1,344mで、海上部が680m、陸上部が664mとなっています。道路規格は第1種第3級で、設計速度は80km/hです。幅員は陸上部が12.0m、海上部が14.0mで、完成時には2車線となります。海上部は3径間連続鋼斜張橋、陸上部は鋼7+3径間連続箱桁橋という構造が採用されています。当初、吊橋、複合斜張橋、トラス橋、PCラーメン箱桁+PC斜張橋、ニールセンローゼ桁橋などの案が検討されましたが、美観、維持管理性、海上部の施工期間短縮などを考慮して現在の構造に決定されました。桁下高は、津波漂流物との衝突を避け、既存の船舶の航行を妨げないよう32mに設定されています。また、主塔には点検用エレベーターが設置されています。

特筆事項

2022年11月24日には、開通後初の点検が実施されました。足場の設置や目視点検が困難な箇所が多いため、ドローンや自動ロボットを用いた試験的な点検が行われました。この点検結果を踏まえ、東北地方整備局は新たな点検マニュアルを作成する方針です。

まとめ

気仙沼湾横断橋は、地域住民の生活を支えるだけでなく、その美しい景観と最先端の技術によって、多くの人々に感動を与えています。また、復興のシンボルとしての役割も担っており、今後の発展が期待されます。

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