水の旋律

水の旋律

『水の旋律』は、かつて存在したゲーム会社KIDが開発したゴシックロマンスアドベンチャーゲームです。乙女ゲームとしての側面も持ち合わせています。

歴史

シリーズは2作品が発売されています。

水の旋律
2005年9月29日にPlayStation 2版がKIDから発売。初回限定版には特典ドラマCD「水の旋律-前奏曲-」が付属しました。
2009年12月24日にPlayStation Portable版がサイバーフロントから発売。
水の旋律2 〜緋の記憶〜
2006年10月26日にPlayStation 2版がKIDから発売。初回限定版にはドラマCD「仁美の尚和町案内+α」と特製絵本「なれたらいいのに」が付属。本作はKIDが最後に発売したオリジナルゲームとなりました。
2010年2月25日にPlayStation Portable版がサイバーフロントから発売。

内容

人魚の肉を食べて不老不死となった八百比丘尼（やおびくに）の伝説をモチーフに、現代を舞台とした物語が展開されます。KID倒産のため、第3作の構想は実現しませんでした。

水の旋律

八百比丘尼の血を引く少女・白石陽菜が、自覚のないまま宿命に巻き込まれていく物語。制作開始当初は学園ものとして企画されていましたが、頓挫。残ったキャラクターを活かし、伝奇色を強く打ち出した「ゴシックロマンス・アドベンチャー」として再構成されました。

ゲーム中、主人公が怯える、または誰かに頼るような選択肢を選ぶと犬に襲われるというユニークな仕様が存在します。

水の旋律2 〜緋の記憶〜

前作の2年後、手塚京輔と同じ孤児院で育った柏木きらが主人公。両親が殺害された現場で偶然手にした太刀をきっかけに、一謡と九艘、八咫と呼ばれる一族間の戦いに巻き込まれます。

前作の敵役だった設楽優と、サブキャラクターだった加々良水季が攻略対象として追加されました。前作のクリアデータを引き継ぐことで、特定のキャラクターとの恋愛模様が楽しめる要素もあります。主人公の感情移入を促すため、戦闘システムが導入されました。

作品のテーマは「結局八百比丘尼とは何だったのか？」であり、比丘尼の愛した者たちの運命を正そうとする主人公たちの姿が描かれています。

世界観

物語の根幹となるのは、八百比丘尼の血を引く一族と、彼女にまつわる伝承です。

九艘（くそう）
八百比丘尼の第二子孫。比丘尼から不死性を強く受け継いでおり、病気にならず、傷もすぐに完治。長命で、特殊能力を発揮する。
一謡（いちよう）
八百比丘尼の第一子孫。九艘ほどの治癒能力はないが長寿。水断刀と呼ばれる刀を継承し、九艘を殺害できる唯一の手段を持つ。
八咫（やた）
八百比丘尼の二番目の夫の血を引く一族。獣のような姿をしており、呪術に長けている。

登場人物

メインキャラクター

白石 陽菜（しらいし ひな）
声：仙台エリ
本作の主人公。八百比丘尼の「天泣の力」を受け継ぎ、争いに巻き込まれる。
桐原 貴人（きりはら たかひと）
声：井上和彦
尚和高校の教師。陽菜を監視している。「神凪の力」を持つ。
桐原 拓哉（きりはら たくや）
声：子安武人
尚和高校の生徒。「颶風の力」を持つ。
加々良 愁一（かがら しゅういち）
声：森田成一
一謡一族の次期当主。「忘却謡」を使う。
明月 圭（あきづき けい）
声：遠近孝一
愁一の護衛役。一謡のハンター。「呪縛謡」を使う。
片瀬 哲生（かたせ てつお）
声：檜山修之
陽菜を狙う一謡のハンター。「傀儡謡」を使う。
手塚 京輔（てづか きょうすけ）
声：谷山紀章
八百比丘尼の伝説を研究している。
新野 憲吾（しんの けんご）
声：鈴村健一
陽菜の幼馴染。
柏木 きら（かしわぎ きら）
声：伊瀬茉莉也
『緋の記憶』の主人公。水断刀「阿修羅の太刀」を手にする。「別離謡」を発動する。
設楽 優（したら すぐる）
声：斎賀みつき
一謡のハンター。九艘を憎んでいる。
明月 涼（あきづき りょう）
声：近藤隆
一謡の郷の剣道場の師範代。「昏睡謡」を使う。
加々良 水季（かがら みずき）
声：三浦祥朗
一謡当主の長男。病弱。
安曇 康秀（あずみ やすひで）
声：森川智之
尚和高校の生徒会長。九艘一族。「灼風の力」を持つ。
式部 吉乃（しきぶ よしの）
声：岸尾大輔
九艘一族の巫女の家系の跡取り。「影見の力」を持つ。
斎宮 好克（さいぐう よしかつ） / 遮那（しゃな）
声：小西克幸
水季の主治医。正体は八咫一族の長。
柏木 好春（かしわぎ よしはる） / 普賢（ふげん）
声：下野紘
きらと同じ柏木ホームの出身。正体は遮那の弟。

サブキャラクター

桐原 政嗣（きりはら まさつぐ）
式部 水琴（しきぶ みこと）
加々良 真秋（かがら まさあき）
設楽 雅（したら みやび）

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