水主町 (名古屋市)

水主町（かこまち）について

水主町は、愛知県名古屋市中村区に存在する地名です。この町名は、歴史的背景から成り立っており、特に尾張藩の軍用船を管理していた水主たちに由来しています。水主とは、船の乗組員の一部であり、藩の防衛や交通に欠かせない役割を果たしていました。

歴史的な沿革

水主町の成立は1878年（明治11年）にさかのぼります。この年の12月28日に、愛知郡の日置村及び広井村の一部をもって、名古屋区水主町として公式に設立されました。その後、1889年（明治22年）10月1日に名古屋市が成立したことにより、同市の水主町として位置づけられました。

1908年（明治41年）には、名古屋市の中区が成立したことに伴い、水主町も中区の一部となりました。その後、1928年（昭和3年）3月20日には、2丁目23番地に豊田石炭株式会社が設立され、石炭の販売と運送業務が行われるようになります。これは水主町の地域経済に一定の影響を与えた出来事でした。豊田石炭株式会社の社長には藍川清成が就任し、地域の発展に寄与しました。

中村区への編入と変遷

1944年（昭和19年）2月11日には中村区編入が行われ、水主町は同区の一部となります。これにより、町の行政区分が変更されました。その後、1981年（昭和56年）6月7日には名駅南二丁目、同三丁目及び松重町に編入され、大部分の町が消滅しました。ただし、堀川部分は残り、交差点名や周辺の郵便局、外食チェーンの支店名などに水主町の名が残されています。

現在の周辺道路と施設

現在、水主町周辺にはいくつかの重要な道路があります。江川線（名古屋市道江川線）や大須通、名古屋高速道路都心環状線などがそれです。これらの道路は地域の交通に重要な役割を果たしており、周辺の発展にも寄与しています。これにより、今でも水主町の歴史や文化の名残を知ることができます。

参考文献

• - 名古屋市会事務局 編『総合名古屋市年表 昭和編 一』名古屋市会事務局、1964年。
• - 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典 23 愛知県』角川書店、1989年。
• - 名古屋市計画局『なごやの町名』名古屋市計画局、1992年。

このように、水主町の歴史は長く、明治から昭和にかけてさまざまな変遷を経てきました。名古屋市内でも歴史的な地名が残る貴重な地域です。

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