水居駅

水居駅：福井の田園に佇む小さな駅

水居駅は、福井県坂井市三国町水居にあるえちぜん鉄道三国芦原線沿線の駅です。駅番号はE41。のどかな田園風景が広がるこの地で、昭和初期から人々の暮らしを見守ってきました。

歴史：三国芦原電鉄からえちぜん鉄道へ

水居駅の開業は1929年（昭和4年）にまで遡ります。三国芦原電鉄の芦原（現在のあわら湯のまち駅）と三国町（現在の三国駅）間の開通に伴い誕生しました。その後、1942年（昭和17年）には京福電気鉄道に合併、そして1970年（昭和45年）には駅業務の委託化、1975年（昭和50年）には無人化が実施されました。

2001年（平成13年）に発生した京福電気鉄道越前本線列車衝突事故の影響で全線運行が休止となり、水居駅も一時休業を余儀なくされました。しかし、2003年（平成15年）2月1日に京福電気鉄道からえちぜん鉄道へ駅施設が譲渡され、同年8月10日には三国芦原線の運行再開と同時に営業を再開しました。長い歴史の中で幾多の変遷を経験しながら、水居駅は地域の人々の生活に寄り添い続けています。

駅構造：簡素ながらも温かみのある無人駅

水居駅は、単式ホーム1面1線を有する地上駅です。無人駅であるため、駅舎は簡素な造りですが、ホームには待合室が設置され、利用者の休憩を考慮した設計となっています。2017年には坂井市内の4駅で駅名標がイラスト入りの坂井市独自のデザインに更新され、地域に溶け込んだ駅舎へと生まれ変わりました。静かで落ち着いた雰囲気は、慌ただしい日常から離れて、ひととき安らぎを与えてくれる空間です。

利用状況：坂井市内最少の乗車人員

坂井市統計年報によると、水居駅の1日平均乗車人員は、坂井市内のえちぜん鉄道駅の中で最も少ないとされています。これは、駅周辺の状況や地域特性を反映していると言えるでしょう。しかし、地域住民にとって大切な生活の足としての役割は、今後も変わることなく継続していくと思われます。

駅周辺：田園風景の中に溶け込む駅舎

水居駅の周辺は、のどかな田園風景が広がっています。駅入り口に近い南西方向には集落があり、生活感あふれる風景が広がります。一方、北側には福井県坂井合同庁舎（福井県坂井県税相談室、福井県坂井農林総合事務所、福井県三国土木事務所）などがあり、行政機関との連携も図られています。周辺は自然と人々の営みが調和した、静かで穏やかな環境です。

隣の駅

水居駅の隣の駅は、下り方面に[あわら湯のまち駅]、上り方面に[三国神社駅]です。快速列車は上り方向のみ停車します。

参考文献

『京福電気鉄道 越前線写真帖 88年回顧録』京福電気鉄道、2003年1月31日
川島令三『【図説】日本の鉄道中部ライン全線・全駅・全配線 第5巻 米原駅 - 加賀温泉駅』講談社、2010年8月20日
『週刊歴史でめぐる鉄道全路線 公営鉄道・私鉄28 えちぜん鉄道 福井鉄道・北陸鉄道・のと鉄道』朝日新聞出版、2011年10月2日
寺田裕一『改訂新版 データブック日本の私鉄』ネコ・パブリッシング、2013年1月19日

水居駅は、歴史と自然が織りなす、静かで落ち着いた雰囲気を持つ駅です。訪れる人々に、穏やかな時間と、福井の自然の息吹を感じさせてくれるでしょう。

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