水木しげるの妖怪写真館

『水木しげるの妖怪写真館』は、1999年12月29日にSNKから発売されたネオジオポケットカラー用のスナップショットRPGです。『ゲゲゲの鬼太郎』や『悪魔くん』で知られる漫画家、水木しげる氏の描く120種類以上の妖怪が登場するキャラクターゲームとして、発売当初から異彩を放っていました。

ゲーム概要

プレイヤーは日本各地に出没する妖怪を探し出し、水木先生から借りた不思議なカメラ「うんがい」で撮影します。撮影された写真には妖力（攻撃力）と霊力（体力）が込められ、ねずみ男や他のプレイヤーとの対戦カードバトルで使用することができます。不要な写真は鬼太郎に買い取ってもらい、ゲーム内通貨に換金することも可能です。

妖怪の出現条件は多岐にわたり、簡単に見つかるものから、特定の条件を満たさないと出現しないレアな妖怪まで存在します。全ての妖怪を撮影すること自体が難しく、さらに撮影した写真の能力は、プレイヤーの腕前に左右されるため、全ての妖怪のベストショットを撮影しようとすると、非常に高いやり込みが必要となります。

知る人ぞ知る名作

発売されたハードがマイナーだったため、販売本数は決して多くはありません。しかし、ゲームの完成度は非常に高く、ゲーム雑誌『ファミ通』に不定期連載されていた漫画『ドキばぐ』（柴田亜美）の中で、当時の担当編集者であるチップス小沢氏（現・トムス・エンタテインメント執行役員）が熱中しているソフトとして何度も取り上げられたため、一部のゲームファンからは高い知名度を誇っています。

現在では、中古市場で定価以上のプレミア価格で取引されるレアソフトとなっており、その希少価値からも、ゲームとしての魅力が窺えます。コアなファンからの支持が厚く、ネオジオポケットカラーというプラットフォームの隠れた名作として語り継がれています。

開発会社の紹介

開発は有限会社浮世亭が担当しました。浮世亭のサイトでも本作が紹介されています。

プレイスタイル

ゲームは、妖怪を探して撮影するというシンプルな流れですが、奥深い戦略性を持っています。妖怪の出現場所や時間帯、天候などの条件を考慮し、最適な撮影場所を探し出す必要があります。また、撮影時には、妖怪の動きや背景、カメラの設定などを調整し、より強力な妖力と霊力を持つ写真を撮影することが重要になります。集めた写真は、対戦カードバトルで使用するだけでなく、コレクション要素としても楽しめます。妖怪図鑑をコンプリートしたり、お気に入りの妖怪のベストショットを集めたりと、様々なプレイスタイルで楽しむことができます。

やり込み要素が非常に高く、全ての妖怪をコンプリートするには、膨大な時間と労力が必要です。しかし、苦労して手に入れた妖怪の写真は、他のプレイヤーとの対戦で大きなアドバンテージをもたらしてくれます。また、レアな妖怪のベストショットを撮影できた時の達成感は格別です。

まとめ

『水木しげるの妖怪写真館』は、一見すると子供向けのキャラクターゲームですが、その内容は非常に奥深く、大人でも十分に楽しめる作品です。水木しげる氏の描く魅力的な妖怪たちや、戦略性の高い対戦カードバトル、そして豊富なやり込み要素など、多くの魅力が詰まっています。ネオジオポケットカラーというマイナーなプラットフォームで発売されたため、知名度は高くありませんが、ゲーム好きならば一度はプレイしておきたい隠れた名作と言えるでしょう。

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