水窪ダム (静岡県)

水窪ダムの概要

水窪ダム（みさくぼダム）は、静岡県浜松市天竜区水窪町に位置する天竜川水系のダムです。このダムは戸中川に建設され、高さ105メートルのロックフィルダムとして知られています。水窪ダムは主に水力発電を目的としており、その為に設立されました。ダムによって作られた人造湖は水窪湖（みさくぼこ）という名で呼ばれ、訪れる人々に自然豊かな景観を提供しています。

歴史

水窪ダムの建設は、戦後の日本における水力発電の発展の一環として進められました。電源開発では、1950年代に佐久間ダムや秋葉ダムを完成させた後、天竜川の支流に目を向けることとなります。そして、水窪川の上流部においても1976年5月24日に戸中川をせき止める形で水窪ダムが完成しました。ダム建設にはおよそ110億円の総工費がかかっています。

周辺情報

浜松市の中心部から水窪ダムへは国道152号や秋葉街道を使ってアクセスできます。移動する際は、船明ダム湖や秋葉湖を通って大井橋にたどり着きます。ここは天竜川と水窪川が合流するポイントであり、ダムへの導入路が整備されています。ダムの左岸には石碑や案内板が設置されているほか、右岸には水窪電源神社もあります。ダムの上部には車道がありますが、ガードレールが設置されていないため、通行時は注意が必要です。

水窪湖と水力発電

水窪湖は釣りスポットとしても非常に人気があり、コイやヘラブナに加えて、冬の季節にはワカサギも釣れる場所として知られています。湖水は、ダムによってせき止められた戸中川の水だけでなく、上流の白倉川の水も導水路を通じて集められています。

ダム湖で蓄えられた水は、左岸に設置された取水口から導水路を経て水窪発電所に送られ、最大で5万キロワットの電力を生み出した後、佐久間ダム湖へと放流されます。水窪発電所では年間約1億5,800万キロワット時の電力を生成することが実現しています。

もともと水窪川は佐久間ダムよりも下流で天竜川に合流していたため、佐久間発電所では水窪川の水を使用することができませんでした。しかし、水窪ダムの完成によって、佐久間発電所でも水窪川の水を利用することが可能となり、年間で約1億2,300万キロワット時の発生電力量を増加させることができました。

まとめ

水窪ダムは、水力発電だけでなく、周囲の自然環境や釣りの名所としても地域に貢献しています。歴史的背景とともに、今後も地域の発展とともにこの地での役割を果たすことでしょう。

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