水野保

水野 保について

水野 保（みずの やすし、1884年（明治17年）7月23日 - 1975年（昭和50年）7月24日）は、日本の陸軍軍人および政治家であり、最終的に陸軍少将の階級を持つ人物です。彼は豊橋市の第13代市長としても知られており、戦後の復興活動に尽力を尽くしたことで評価されています。

初期の経歴

水野は愛知県渥美郡豊橋町（現在の豊橋市）に生まれました。彼は1904年（明治37年）に陸軍士官学校の第16期生として卒業し、同年の11月1日に陸軍歩兵少尉として任官しました。彼の軍人としてのキャリアは、憲兵科への転任を機に本格化します。1913年（大正2年）7月21日には憲兵中尉に昇進し、東京憲兵隊の分隊長に就任しました。

その後、水野は青島守備軍や久留米、旭川、姫路、横浜の各憲兵隊で分隊長や隊長を歴任しました。1927年には憲兵大佐に昇進し、大邱憲兵隊の指揮官として重要な役割を担いました。彼は1932年に陸軍少将に昇進し、同時に待命となり、予備役に編入されました。

戦後の活動

水野は1943年に大同製鋼株式会社の事務嘱託として働き始め、その後は大同製鋼青年学校長や大同工業学校校長の職を兼任し、1945年4月まで在籍しました。同年5月6日には豊橋市の市長に就任し、急速に進む都市の変化に柔軟に対応しました。特に、6月9日には空襲に備えて市役所を鉄筋コンクリート製の新しい市公会堂を移転させる決定を下しました。

終戦後は、彼は豊橋市の戦災復興に尽力しましたが、1946年に市長を退任。その後の1947年には公職追放仮指定を受けることになります。市長職を降りた後は、企業の社長を務めた後、保育園の園長に就任しました。

晩年と栄典

水野は1975年に91歳で亡くなるまで、地域社会に多大な影響を与えた政治家としての資質を発揮しました。彼の生涯には軍人としての経歴と市長としての行政の両面があり、特に戦後間もない時期における復興への取り組みは歴史的な評価に値します。

栄典としては、1904年に正八位の称号を受けています。水野の影響力と功績は、豊橋市のみならず、日本全土においても語り継がれるでしょう。

参考文献

• - 歴代知事編纂会編『日本の歴代市長 第2巻』歴代知事編纂会、1984年。
• - 外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。
• - 郷土豊橋を築いた先覚者たち編集委員会編『郷土豊橋を築いた先覚者たち』、豊橋市教育委員会、1986年。
• - 福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
• - 内閣「水野保愛知県豊橋市長ニ任スルノ件」昭和20年、国立公文書館。

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