水野元知

水野元知（みずの もととも）

水野元知は、江戸時代前期の大名で、上野国安中藩の第2代藩主です。父は初代藩主の水野元綱。通称は三左衛門。正室は岡崎藩藩主・水野忠善の娘、側室に八重がいました。

生涯

寛永20年（1643年）、水野元綱の次男として誕生しました。母は中川秀成の娘です。慶安4年（1651年）3月、兄・元倫が早世したため、嫡子となりました。承応元年（1652年）11月28日、将軍・徳川家綱に拝謁し、明暦3年（1657年）12月27日には、従五位下信濃守に任官しました。寛文3年（1663年）から翌年にかけて、父・元綱とともに領内2万石、39か村の検地を実施しました。

寛文4年（1664年）10月26日、父の死去により家督を相続し、安中藩第2代藩主となりました。しかし、寛文7年（1667年）5月23日、元知は突然発狂し、正室に斬りつけ、自害しようとしました。この事件により、同年5月28日、所領は没収され、水野忠職に預けられることになりました。嫡子・元朝には、2,000俵（後に2,000石）が与えられました。延宝8年（1680年）に37歳で亡くなりました。

元知が発狂した原因については、正室と側室・八重との間の諍いであるという説が有力ですが、真相は不明です。また、八重は正室によって九十九川に生き埋めにされたという伝説も残っています。

お八重伝説

元知の刃傷沙汰から、「お八重伝説」が生まれました。この伝説は、元知の狂乱の原因とされた側室・八重の悲劇を語り継ぐものです。安中市内には、「八重が淵」という碑が建てられ、今もなお地元の人々に語り継がれています。

脚注

参考文献に記載されている各資料は、国立国会図書館のデジタルコレクションで閲覧可能です。

参考文献

安中市誌編纂委員会 編『安中市誌』安中市誌編纂委員会、1964年12月15日。NDLJP:3035350。
山田武麿 編『上州の諸藩』 上、上毛新聞社、1981年9月1日。NDLJP:9642491。
『寛政重脩諸家譜』 第二輯、國民圖書、1923年4月29日。NDLJP:1082719/447。

外部リンク

『水野元知』 - コトバンク
水野元知 - Webcat Plus

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