水野勝貞

水野 勝貞について

水野勝貞（みずの かつさだ）は、備後国福山藩の第3代藩主であり、水野宗家の三代目の当主です。彼は第2代藩主・水野勝俊の次男として福山藩でその生涯を送った人物です。

生い立ちと青年時代

水野勝貞は、備後国鞆に生まれました。彼は14歳のときに島原の乱に参加しており、その後の1639年に、徳川家光と面会を果たしました。翌年には従五位下に任命され、備後守の称号を授与されました。さらに、1655年には父の死後、31歳で藩主としての家督を継ぎます。この年は明暦元年に改元された年でもあり、徳川家綱に謁見し、従四位下に任官され、日向守の名を持つようになります。

藩政と文化振興

水野勝貞は、祖父の勝成や父の勝俊のあとを受け継ぎ、主に領内の寺院を保護する政策を推進しました。特に福山城下にある円光寺の古刹の常福寺との合併を行い、それにより寺名を明王院と改名しました。これにより、地域の宗教文化がより発展しました。

また、文化振興にも力を入れ、京都から俳人の野々口立圃を招いて多くの弟子を育成しました。勝貞の時代には、城下の寺院で何度も芝居が上演されるなど、文化活動が非常に盛んでした。福山の街には、草戸稲荷神社の前に遊女町を形成したという話も伝わっています。これらの活動によって、藩内の文化的側面が充実し、多くの市民がその恩恵を受けました。

晩年と死

勝貞は寛文元年（1661年）に病に伏せ、翌1662年に江戸で亡くなりました。享年は38歳であり、早世した藩主として知られています。彼の死後、藩政においては、彼が重用していた生え抜きの藩士が排除される事態が発生しました。家老の上田玄蕃ら門閥派の巻き返しにより、側近の猪熊三右衛門など5人が殉死に追い込まれるという混乱が広がりました。この出来事はいわゆる御家騒動と呼ばれ、水野家の内部は激しい動揺に見舞われました。

系譜

水野勝貞の父は水野勝俊で、母は側室の月岡氏です。勝貞の正室は酒井忠勝の養女で、松平康政の娘です。また、側室には野瀬氏がいます。彼には三人の子がいて、長男は水野勝種（生母は側室）、長女の鶴は勧修寺経敬の妻、次女の与曽も側室の生まれです。

水野勝貞は、その短い生涯の中で福山藩の文化と政治に大きな影響を与えましたが、彼の死後には大きな動乱が待っていました。

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