水野敬三郎

水野敬三郎：日本彫刻史研究の巨匠

水野敬三郎氏は、1932年東京生まれの日本の美術史学者です。東京大学教養学部を卒業後、同大学大学院人文科学研究科美術史に進学し、日本の美術史、特に彫刻史研究における第一人者として、長年に渡り日本の美術研究に貢献しました。

輝かしい経歴

東京大学卒業後は、東京国立博物館学芸部美術課に勤務。その後、東京芸術大学美術学部教授に就任し、後進の育成にも尽力しました。1996年に東京芸術大学を定年退官後は名誉教授に。さらに、新潟県立近代美術館館長、名誉館長、そして半蔵門ミュージアム館長、名誉館長を歴任するなど、精力的に活動を続けました。その功績は高く評価され、2012年には瑞宝中綬章を受章しています。

日本の美術史研究への貢献

水野氏の研究は、日本の彫刻史、とりわけ仏像彫刻に関する深い造詣に裏打ちされています。数多くの論文を発表する一方、一般向け書籍の執筆にも力を注ぎ、日本の美術を広く一般に伝える役割も担いました。

主な著書

水野氏は、日本の彫刻史に関する専門的な研究書から、一般読者向けの分かりやすい解説書まで、幅広い著作を発表しました。代表的な著書には以下のものがあります。

『日本の美術 12 運慶と鎌倉彫刻』
『奈良の寺 3 法隆寺金堂釈迦三尊』
『日本の美術 164 大仏師定朝』
『大和の古寺 6 室生寺』
『奈良・京都の古寺めぐり 仏像の見かた』
『日本彫刻史研究』
『願成就院』(山本勉と共著)
『ミズノ先生の仏像のみかた』

これらの著書は、水野氏の深い専門知識と、それを分かりやすく伝える能力の高さを示すものです。特に『ミズノ先生の仏像のみかた』は、一般の人々にも仏像の魅力を伝えようと試みた好例と言えるでしょう。

共編著・監修作品

単著以外にも、多くの共編著や監修作品を手掛けています。これらを通じて、日本の美術史研究を多角的に深め、日本の美術史研究に多大な貢献を果たしました。代表的な作品には以下のものがあります。

『日本古寺巡礼』(佐藤昭夫,永井信一共著)
『日本彫刻史基礎資料集成』(平安時代造像銘記篇、平安時代重要作品篇、鎌倉時代造像銘記篇)
『日本美術全集』(複数巻)
『日本仏像史 カラー版』(監修)
* 『醍醐寺大観』(西川新次・山根有三監修、共編)

これらの作品群は、水野氏の研究活動の広さと深さを示すだけでなく、日本の美術史研究全体の発展にも大きく寄与したと言えるでしょう。

日本の美術史研究における水野敬三郎氏の影響

水野敬三郎氏は、単なる美術史学者としてだけでなく、教育者、博物館館長として、日本の美術史研究の発展に多大な貢献をしました。その功績は、日本の美術史研究に大きな足跡を残し、未来の研究者たちにも大きな影響を与え続けるでしょう。氏の著作は、日本の美術史を学ぶ者にとって必読書であり、日本の美術を理解する上で欠かせない存在となっています。水野氏の研究は、これからも日本の美術史研究を牽引していくでしょう。

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