水野範明

水野範明（みずの のりあき）は、江戸時代中期から後期にかけて、紀伊国新宮藩（現在の和歌山県新宮市）に存在した紀州藩附家老、水野家の世嗣として生まれた人物です。通称は内匠助（たくみすけ）、官位は従五位下・出雲守（いずものかみ）でした。

略歴

水野範明は、新宮藩の7代藩主である水野忠実（みずの ただよし）の長男として生まれました。幼名は藤次郎（とうじろう）と名付けられました。

天明8年（1788年）4月15日、11代将軍・徳川家斉（とくがわ いえなり）に拝謁しました。これは、将来の藩主として幕府に認知されるための重要な儀式でした。寛政6年（1794年）12月24日には、従五位下・出雲守に叙任されました。この官位は、武士としての格式を示すものであり、藩主一族としての地位を確立するものでした。

しかし、水野範明は家督を相続することなく、文化2年（1805年）に33歳という若さでこの世を去りました。早世の原因は明らかではありません。

範明の死後、代わりに長男である水野忠啓（みずの ただあき）が紀伊新宮藩の世嗣となりました。忠啓は、文政5年（1822年）に父・忠実が死去したのち、家督を継ぎ、新宮藩の藩主となりました。

系譜

父：水野忠実（1750年 - 1822年） - 紀伊新宮藩の7代藩主。
母：不詳
正室：松平正温（まつだいら まさあつ）の娘
長男：水野忠啓（1795年 - 1848年） - 紀伊新宮藩の8代藩主。
生母不明の子女：女子 - 錦（にしき）。伊東長禎（いとう ながさだ）の正室。

参考文献

『寛政重修諸家譜』第2輯、国民図書、1923年、882頁。
* 霞会館華族家系大成編輯委員会編　『平成新修旧華族家系大成』下巻、霞会館、1996年、681頁。

これらの文献は、水野範明の出自や経歴、家族構成などを知る上で重要な資料となっています。特に『寛政重修諸家譜』は、江戸時代の武士の家系を網羅的にまとめたものであり、水野家の歴史を知る上で欠かせないものです。

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