氷川神社 (東久留米市南沢)

氷川神社について

氷川神社（ひかわじんじゃ）は東京都の東久留米市南沢地区に所在し、地域の人々にとって大切な信仰の場です。ここは「東久留米総鎮守」としての役割を持ち、旧社格は村社です。また、南沢氷川神社とも呼ばれています。

歴史

この神社の創建年は定かではありませんが、1900年に神社の神職が残した書物によると、神社の起源は古く、以前は黒目川の支流である落合川上流の水源地に位置していたとされています。ここでは湧水の守護神として祀られていました。その後、この地域の開発に伴い、出雲斐伊神社の由来を模して神社が創建されたと伝えられています。

歴史を辿ると、1654年2月15日付けの棟札が確認されています。この棟札からは、南沢村、田無村、入間村、下新井村の氏子たちが一致協力して再建を行ったことが伺えます。この再建には、徳川家の重臣たちも関与したようです。

明治の初めに入ると、氷川神社は村社に昇格し、神饌幣帛料指定神社に指定されるなど、地域の信仰の場としての地位を確立しました。それ以降も神社の大祭には供進使が訪れるなど、地域の人々の熱心な信仰の対象として、多くの伝統的な祭りや行事が行われ続けています。

長い歴史の中で、氷川神社は幾度か再建されています。1937年には社殿の改築が計画されましたが、戦争の影響により中断。その後1950年に氏子たちの協力によって新たな社殿が竣工しました。しかし1969年に火災による焼失があり、その後1971年に再度新社殿が完成しました。更に1984年には社務所の新築も行われ、現在に至るまで地域の信仰の根源として人々に受け継がれています。

境内と文化財

氷川神社の境内にはいくつかの末社があります。主なものは以下の通りです：

• - 大神宮: 御祭神は天照皇大神
• - 稲荷神社: 御祭神は豊宇計比咩命
• - 八雲神社: 御祭神は牛頭天王
• - 稲荷神社: 御祭神は宇賀魂神

また、境内には多くの絵馬も奉納されており、東久留米が従来は貧しい農村であったことを示す資料となっています。その中で、「加藤清正虎退治絵馬」は、東久留米市で最古のものであり、現在は市の有形文化財として指定されています。

上棟札も1654年に社殿再建を記録しており、「新編武蔵風土記稿」にも記載されています。こちらも東久留米市の有形文化財として保護されています。

さらに、江戸時代初期から伝わる地域特有の郷土芸能である南沢獅子舞も重要な文化財です。この獅子舞は当初、村の長男のみが伝承されてきましたが、戦後に復活し、現在もごく少数の年に行われています。

祭礼とアクセス

氷川神社では多くの祭礼が行われていますが、兼務社として周辺の他の神社も統括しています。お祭りの一環として、獅子歌が歌われ、地域の人々が一緒になってその歴史的な文化を尊重しています。

氷川神社へのアクセスは、西武池袋線の東久留米駅西口から徒歩約15分、また西武バスのイオンモール東久留米シャトルバスで「多聞寺入口」バス停から徒歩約5分です。地域の自然や歴史を感じながら、訪れることができます。

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