永井直種

永井直種（ながい なおたね）は、江戸時代前期に活躍した大名で、摂津高槻藩の第3代藩主として知られています。

万治元年（1658年）、山城淀藩主であった永井尚征の四男として、京都の淀で生を受けました。永井家は代々大名として幕府に仕えており、直種もまたその血筋を受け継ぎました。延宝5年（1677年）5月16日、直種は同族であり、姉妹が嫁いでいた高槻藩の第2代藩主、永井直時の養子となります。これは、高槻藩の家督を継ぐための措置でした。

延宝8年（1680年）に直時が死去したため、閏8月19日に直種は高槻藩の家督を相続し、第3代藩主となりました。しかし、元禄8年（1695年）4月22日に38歳という若さでこの世を去りました。

直種には実子の直英がいましたが、幼少であったため、婿養子として甥にあたる直達が跡を継ぎました。その後、直英は直達の養子となり、再び家督を継ぐことになります。

直種は短命でしたが、儒学や武芸に優れていたと伝えられています。武道にも長けていただけでなく、学問にも造詣が深かったようです。また、絵を嗜んでいたことでも知られており、その才能は現代にも伝わっています。高槻市立しろあと歴史館には、家老の関家に伝来した「一聖ニ賢人図（曾子・孔子・顔子）」が所蔵されています。また、上宮天満宮には直種が描いたとされる「天神図」が現存しており、彼の文化的な才能を今に伝えています。

このように、永井直種は、大名としての務めを果たしつつ、文化的な才能も発揮した人物でした。彼の遺した功績は、今もなお高槻の地に息づいています。

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