永岡弘行

永岡 弘行について

永岡 弘行（ながおか ひろゆき、1938年生まれ）は、日本における反カルト運動の先駆者であり、特にオウム真理教に関連する活動において著名です。彼は日本脱カルト協会の理事や、「オウム真理教家族の会」の代表を務めています。

反カルト運動の始まり

永岡は、当初は一般企業に勤務していましたが、長男の永岡辰哉がオウム真理教に入信したことを契機に1989年から信者家族との交流を始めました。同年、彼は「オウム真理教被害者の会」を設立し、その会長に選任されました。この会は、オウムの教義や活動による被害を受けた家庭を支援することを目的としています。

オウム真理教との葛藤

会長就任後、永岡はオウム真理教からの数々の嫌がらせに直面しました。また、同じ被害者の会のメンバーである坂本堤や滝本太郎とともに、命の危険も感じる事態に陥りました。特に1995年1月には、オウム真理教の信者であった山形明や高橋克也からVX神経剤による襲撃を受け、重傷を負いながらも生還しました。この事件は、「オウム真理教被害者の会会長VX襲撃事件」として記録されています。彼はこの襲撃により右半身が麻痺し、現在でも通院が必要な生活を送っています。

オウム事件後の活動

地下鉄サリン事件の発生後も、永岡は法廷での傍聴や東京拘置所での幹部信者との面会を継続していました。彼は特に、新実智光と呼ばれるオウム幹部との面会を重ね、その際には「実に礼儀正しい男」と評しています。また、VXを製造した土谷正実の両親との関係も築いており、オウム信者の背景には自身が受けた企業研修のトラウマを感じることもあったと述べています。

死刑判決に対する意見

2011年には、オウム真理教事件で死刑判決を受けた13人のうち、松本智津夫以外の12人は死刑に処すべきではないという声明を出す活動にも加わりました。彼はこの際、「死んでしまいたいという信者もいるが、お前たちにはまだ義務がある」と発言しましたが、松本智津夫に関しては「繰り返し死刑にしたい」と主張しています。

メディアでの発言

2017年2月にはNHKのインタビューを受け、金正男氏の殺害がVXによるものであるとの報道に対し、「自分と症状が似ていると思った」とコメントしました。永岡は、自身の経験を通じてオウム真理教の教義の危うさや、信者が抱える苦悩を伝え続けています。

まとめ

永岡弘行の活動は、オウム真理教の影響を受けた人々を支えることに貢献し、反カルト運動の象徴的な存在となっています。彼の経験と発言は、多くの人々にとって参考となり、信教の自由と人権についての重要な議論を促しています。

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