永昌大君

永昌大君の生涯

永昌大君（ヨンチャンデグン、영창대군）は、李氏朝鮮の第14代国王である宣祖が54歳という高齢で、仁穆王后との間に儲けた唯一の嫡出子として1606年に誕生しました。彼の誕生は、当時の王位継承を巡る政治状況に大きな波紋を投げかけることになります。幼名は㼁（ギョク）です。

生い立ちと王位継承争い

宣祖は、嫡流の後継者を強く望んでおり、次男である光海君（庶子）ではなく、永昌大君を世子に立てようと画策しました。この動きは、柳永慶ら小北派の支持を得ましたが、1608年に宣祖が急逝したことで、状況は一変します。幼い永昌大君ではなく、光海君が即位することになったのです。

悲劇的な最期

1613年、七庶獄事が起こると、大北派の重鎮であった李爾瞻の策略により、永昌大君と仁穆王后の父である金悌男に嫌疑がかけられました。金悌男は賜薬により処刑され、永昌大君は姉の貞明公主と共に庶人に降格され、江華島へ流刑となりました。さらに、1614年、江華府使の鄭沆によって、オンドル部屋を極端に熱くして監禁するという残虐な方法で蒸殺されました。数え年で9歳という若さでした。この処刑方法は、朝鮮史上でも極めて重い罪に対するものとされています。

死後の名誉回復

1623年、仁祖が即位すると、永昌大君は生前の名誉を回復しました。彼の墓は、現在の京畿道安城市にあります。

家族

父：第14代国王 宣祖（1552年 - 1608年）
母：仁穆王后（1584年 - 1632年）
姉：貞明公主（1603年 - 1685年） - 永安尉 洪柱元と結婚し、7男1女をもうけました。
姉：公主（1604年）
義兄：永安尉・洪柱元

登場作品

永昌大君を題材とした作品は、以下の通りです。彼の短い生涯は、歴史ドラマの中で繰り返し描かれています。

宮廷女官キム尚宮（1995年、KBS）
ホジュン 宮廷医官への道（1999年-2000年、MBC）
王の女（2003-2004年、SBS） - カン・サンが演じました。
ホジュン〜伝説の心医〜（2013年、MBC）
王の顔（2014年-2015年、KBS）
* 華政（2015年、MBC） - チョン・ジンソが演じました。

永昌大君の生涯は、王位継承を巡る権力闘争の犠牲となった悲劇として、後世に語り継がれています。彼の短い人生は、歴史の中で重要な教訓を私たちに示しています。

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