永田俊樹

永田 俊樹

永田 俊樹（ながた としき、1988年4月26日 - ）は、日本の元ミュージカル俳優で、現在は人力車俥夫として活動している人物。埼玉県春日部市出身。劇団四季に約12年間在籍し、『ライオン・キング』の主役シンバ役などを務めた経歴を持つ、異色のキャリアパスを歩む存在として知られる。

来歴

埼玉県で育った永田俊樹は、地元の埼玉栄高等学校に進学。高校時代は運動部に所属し、陸上競技に打ち込んだ。同校の陸上部には、後に短距離走で日本を代表する選手となる髙橋萌木子も同級生として在籍していたほか、学友にはサッカー選手のセルヒオ・アリエル・エスクデロ、大相撲力士の常幸龍貴之など、様々な分野で活躍する著名人が多くいた。

高校卒業後の進路として、永田は幼い頃からの憧れであったアクションスター、ジャッキー・チェンの影響を受け、アクション俳優を志す。その夢を追って、東京フィルムセンター映画・俳優専門学校（現在の東京俳優・映画＆放送専門学校）へ入学した。しかし、専門学校在学中に劇団四季のミュージカル『ライオン・キング』を観劇したことが、彼のキャリアの方向性を大きく変えることになる。舞台の迫力と表現力に深い感銘を受け、ミュージカル俳優を志すようになった。

専門学校を第4期生として卒業した後、ミュージカル俳優への道を本格的に歩み始める。2010年には劇団四季研究所に入所し、プロの舞台人としての厳しい訓練を積んだ。翌2011年4月3日、福岡県のキャナルシティ劇場で開幕したミュージカル『ウィキッド』福岡公演において、アンサンブルの一員として劇団四季での記念すべき初舞台を踏んだ。

自身がミュージカル俳優を目指すきっかけとなった作品『ライオン・キング』への出演は、研究所入所から約2年後の2012年10月28日、大阪四季劇場での開幕公演が最初であった（アンサンブル14枠）。その後もアンサンブルとして様々な役を経験し、着実に実力をつけ、2016年8月9日からは、東京公演にてついに主人公シンバ役として出演を果たす。これは彼にとって、俳優としての大きな転機であり、代表作となった。

劇団四季には2023年1月まで約12年間在籍し、『ライオン・キング』のシンバ役のほか、『ウィキッド』、『雪ん子』では仏のさぶ役、『リトルマーメイド』、『マンマ・ミーア！』ではエディ役、『アラジン』など、多数の作品で主要な役やアンサンブルとして活躍した。しかし、彼はミュージカル俳優としてのキャリアを一旦区切り、全く異なる新たな挑戦を決意する。

劇団四季を退団した永田は、舞台の世界から一転、人力車俥夫へと転身した。現在は観光地などで人力車を引きながら、訪れる人々に街の歴史や文化、隠れた魅力を伝えている。ミュージカルで培った体力、表現力、そして何よりもお客様を楽しませるホスピタリティは、俥夫という仕事でも大いに活かされており、新たな形で人々との触れ合いを楽しんでいるという。

高校時代のスポーツ経験、アクション俳優志望からミュージカルへの転向、そして劇団四季での成功を経て、人力車俥夫という新たなキャリアを築く永田俊樹氏。その多様な経験と変化を恐れず挑戦し続ける姿勢は、多くの人々に驚きと同時に、新たな一歩を踏み出す勇気を与えている。

主な出演作品（劇団四季時代）

ウィキッド（2011年 アンサンブル1枠）
雪ん子（2011年 仏のさぶ）
ライオン・キング（2012年 アンサンブル14枠、2016年 シンバ）
リトルマーメイド （2013年 アンサンブル3枠）
マンマ・ミーア!（2015年 エディ）
アラジン（2018年 アンサンブル5枠）

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