永田年

永田年（ながた すすむ）

1897年（明治30年）4月5日、福岡県に生まれた永田年は、昭和期の日本の土木工学者、官僚、そして実業家として多岐にわたる分野で活躍しました。1981年（昭和56年）12月31日に生涯を閉じました。

学歴と初期のキャリア

1922年（大正11年）に東京帝国大学工学部土木工学科を卒業後、永田年は台湾総督府に勤務しました。その後、内務省土木局、満州国交通部と、官僚としてのキャリアを積み重ね、その間に土木技術者としての専門性を磨きました。

電力業界での活躍

官僚としてのキャリアを経て、永田年は電力業界へと転身します。東北振興電力や日本発送電で要職を歴任し、日本の電力供給体制の確立に貢献しました。1951年（昭和26年）には北海道電力副社長に就任し、1952年（昭和27年）には電源開発理事として、日本の電源開発を牽引しました。

佐久間ダム建設とその後

1953年（昭和28年）には佐久間発電所建設所長を兼務し、難工事として知られた佐久間ダムの建設を指揮しました。その後も、1957年（昭和32年）に電源開発土木部長、1960年（昭和35年）には電源開発顧問を歴任しました。その後、東京電力技術最高顧問に就任し、その高度な専門知識と経験を活かして、日本の電力技術の発展に貢献しました。

国際的な活動と要職

永田年は、その卓越した技術力とリーダーシップによって、国内外の土木工学界で重要な役割を果たしました。国際大ダム会議副総裁、日本大ダム会議会長、日本ACI会長など、数々の要職を歴任し、国際的な技術交流や知識の普及に尽力しました。

受賞と栄典

永田年の業績は、数々の賞によって称えられました。1957年（昭和32年）に電気学会電力賞、1962年（昭和37年）には土木学会賞、1968年（昭和43年）には土木学会功績賞を受賞。1956年（昭和31年）には、その功績が認められ藍綬褒章を授与されました。

参考文献

上田正昭ほか 監修『講談社日本人名大辞典』講談社、2001年。ISBN 4062108496。
高橋裕、藤井肇男 共著『近代日本土木人物事典: 国土を築いた人々』鹿島出版会、2013年。ISBN 4306094294。

もう一度検索