永田龍雄

永田龍雄 (1890-1965) - 日本の舞踊批評家

永田龍雄（ながた たつお）は、1890年9月20日に生まれ、1965年9月29日に逝去した日本の著名な舞踊批評家にして歌人です。彼の名は、日本の舞踊界における深い洞察と独自の視点から数多くの批評を残したことで知られています。彼の活動は、舞踏の発展を促進し、理解を深める礎となりました。

来歴

永田は、1910年に東京外国語学校の英語科を卒業後、村井吉兵衛の秘書としてキャリアをスタートさせました。その後、1921年に帝国劇場の文芸部に入社し、関東大震災による解散までの間、舞台芸術に関与しました。文芸部の解散後は、舞踊批評家として新たな道を歩むことになります。

彼の批評活動は、主に時事新報において展開され、邦楽や西洋舞踊に関する鋭い分析を行い、特に村松道弥らと共に音楽新聞の創刊にも参与しました。彼は西洋舞踊の黎明期から晩年にかけて精力的に執筆し、その鋭い印象批評は多くの人々に影響を与えました。また、親族にはスペイン語学者の永田寛定や詩人の永田助太郎がいます。

著作

永田龍雄は、数多くの著書を執筆し、舞踊理論の発展に寄与しました。以下は彼の主な著作です。

• - 雛乃名殘 （1917年、編）
• - 露西亜舞踊 （1921年、エレン・テリイ著、訳）
• - 泰西舞踊図説 （1922年、編）
• - 泰西舞踊十二講 （1924年）
• - 舞踊理論 （1924年、フランク・テイス著、訳）
• - 露西亞舞踊 （1925年、エレン・テリイ著、訳）
• - 家庭婦人講座 第1編 （1925年、編）

これらの作品では、舞踊の技術的な側面や歴史的背景、文化的意義について具体的に論じており、特に西洋舞踊に関する洞察は、今でも参考にされることが多いです。彼の分析はきわめて独創的で、そのスタイルは今日においても多くの批評家に影響を与えています。

参考文献

永田の業績について深く取り上げた文献として、吉田悠樹彦による「与謝野晶子と永田龍雄、そして和辻哲郎」や、小林琴美と吉田悠樹彦の「津田信敏と近代舞踊」があります。これらの作品では、彼の舞踊批評の本質やその影響について詳述されています。

永田龍雄は、近代日本における舞踊批評の先駆者として、またそれを発展させた重要な人物として、舞踊界における影響力を持ち続けています。彼の教えや批評は、後世にわたっても多くの舞踊家や批評家にとっての指針となるでしょう。

もう一度検索