永順太氏

永順太氏の概要

永順太氏（ヨンスンテし）は、朝鮮の氏族の一つで、主に慶尚道尚州永順面に分布しています。2015年の国勢調査のデータに基づくと、この氏族には約4,626人のメンバーが存在することがわかります。かつて高麗時代中期には、大氏から太氏に改姓したこともあり、「永順大氏」としても知られています。

始祖と家系の沿革

永順太氏の始祖は、渤海国の滅亡後に高麗へ帰化した靺鞨族の大金就（太金就）です。しかし、現在の永順太氏の家系では、初代渤海王である大祚栄の父、太仲象を始祖とし、太金就を中始祖として崇拝しています。

李氏朝鮮後期に編纂された『永順大氏族譜』によると、一世祖は上将軍であり兵馬元帥として永川君に封じられた太雄成の息子で、太金就は太仲象の18世孫に当たります。また、彼は高麗高宗の時代に金郊でモンゴル帝国軍と戦い、勝利したことから大将軍に任命され、その後永順君に封じられました。その後、彼は尚州郡北面林下村に定住し、彼の子孫の中には陜渓太氏として分立した家系もあります。

さらに、南原太氏や羅州太氏、密陽太氏などの氏族も存在し、これらはすべて永順太氏や陜渓太氏から派生したものと見なされています。特に、陜渓太氏は全羅北道の区域に多く住み、南原太氏は現在の北朝鮮に多数が居住しています。

永順の地理的背景

永順という地名は、古代の文書にその由来が記されています。『高麗史』や『増補文献備考』には、その地域の住民が捕賊に功績を残したことから永順県に昇進した歴史が記されており、林下村の住民が部曲と推測されています。

また、高麗時代の部曲は、地方行政制度の一環として機能しており、住民は国家に対して特定の義務を世襲的に果たす必要がありました。これにより、彼らの政治的・社会的地位は弱く、結果的に劣った状況に置かれていたことが指摘されています。北村秀人は、この点を指摘し、当時の大氏の多くがそれに該当したことを示唆しています。

集姓村と氏族の関連

永順太氏は、慶尚北道慶山市南川面松栢里渤海村に集姓村を持っています。このような村は、特定の氏族が居住する地域として認識され、家系や文化が継承されていく場所となっています。

永順太氏の歴史や家系は、韓国の朝鮮族の多様性を示す一例であり、様々な外部の影響を受けながらも独自の歴史を築いてきたことを物語っています。これらの情報を通じて、永順太氏の深い文化的背景や、時代の変遷における氏族の役割について理解を深めることができます。

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